昨季の本田への低評価は短絡的な見方が原因 インザーギ監督が目まぐるしく評価が変わる地元メディアに物申す

「イタリアは意地悪。ミランは我慢が必要」

 その本田を地元メディアはこぞって絶賛。昨季の嵐のような批判がうそのように紙面上では大々的に特集も組まれている。まさに指揮官の期待した通りの結果ではあるが、反面で、不安な表情も見せている。
「彼はとてもいい練習をして、いいプレーをしている。今度、もし少しでもよくないプレーをしたら、また批判される……。残念ながらイタリアは、ちょっと意地悪だと思う。ミランは我慢が必要。一番大切なことは、それぞれが全力を尽くすことだ」
 インザーギ監督はそう話し、1試合ごとに刻々と評価が変化する辛辣な地元メディアにクギを刺した。自身、現役時代にメディアからのプレッシャーを受けながら過酷な世界を生き抜いてきた経験があるからこその言葉に違いない。
「ゆっくり向上していこう。楽しめると僕は確信している」
 そう付け加えたインザーギ監督は名門の10番を背負う日本人に絶大な信頼を寄せている。今は好調な本田もシーズンを戦う中で不調に陥る可能性もあるが、そこで周囲が厳しい批判に転じても、本田が飽くなき向上心を失わない限り、指揮官は力強くサポートしてくれるに違いない。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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