SVホルンがオーストリア3部制覇 実質的オーナーの本田は「ミランを反面教師にしてきた」

独裁政権とは真逆のマネジメント術

 ACミランの日本代表FW本田圭佑が実質的なオーナーを務めるオーストリア3部のSVホルンが、4日のリーグ最終節でサンクトポルテンジュニアーズに5-1で勝利し、リーグ優勝と来季の2部昇格を果たした。本田は、クラブを通じて喜びを語ると共に、「ミランからは反面教師として参考にさせてもらってます」と、所属するミランとは異なる自身のオーナー哲学についても言葉にした。

 本田が所属するミランは、シルビオ・ベルルスコーニ会長による“独裁政権”と言っても過言ではない。現場介入はライフワークであり、自身が愛するトップ下を置く4-3-1-2システムを導入しない監督は、成績が下がれば問答無用で解任してきた。

 4-4-2システムでハードワークを軸とするチームを作り上げて成績を安定させながら、5戦未勝利となった途端にシニシャ・ミハイロビッチ前監督を解任。代役には子飼いのクリスティアン・ブロッキ監督を下部組織から昇格させた今季はその象徴ともいえる。本田は、そうしたマネジメントとは対極を行くものを実践しているという。

「ミランからは反面教師として参考にさせてもらってます(笑)。オーナーとは言っても現場にはいませんし、現場のチーム全員をリスペクトしながら意思決定するようにしています。ただ僕の最も大きな役割は意思決定以上に、今回も優勝の立役者であるマネジメントチームと監督ら現場スタッフとビジョンを共有し続け、これで満足と思わせない為のコミュニケーションが大事だと思ってます」

 本田は凋落が続くミランにあっても、選手としての立場からクラブのあり方について疑問を呈してきた。昨年10月4日のナポリ戦後に展開した持論は、その後の関係を少しギクシャクさせたが、自身の哲学を語ったものだった。

 当時の発言を振り返っても、「選手が気づいていてもこのチームは変わらない。トップの人間が気づく、経営陣が気づく、監督が気づく。そして、選手たちが気づく。同時にファンたちも気づいていかないと」と、自身のクラブ経営における反面教師になっていたことを伺わせている。

 

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