忘れられない衝撃のワンプレー「ゴム製なのに“バチン!”って」 栗原勇蔵×昌子源対談【後編】
横浜FM戦に滅法強かった昌子、伊藤翔に言われた一言「点が取れる気がしない」
栗原 僕は今、横浜F・マリノスのクラブシップ・キャプテンという役割をやっているので、F・マリノス戦以外で活躍してほしいですね(笑)。F・マリノス戦でやたらと活躍しているイメージがあるので。
昌子 自分で言うのもなんですけど……確かに、鹿島時代はF・マリノスとの相性が良かったですね。
栗原 だって現役時代、実際に対戦した時もベンチで見ていた時もあるけど、「すごいな」って思うシーンがたくさんあって。毎回このパフォーマンスをやっているのかなって、疑問に思ってたぐらいだからね。
昌子 実はF・マリノス時代の伊藤翔選手と金井貢史選手から試合後に言われたことがあるんですよ。
栗原 え、そうなの?
昌子 伊藤選手には「お前と森重(真人)とやる時だけは点が取れる気がしない」と言ってもらったことがあって。
栗原 確かに翔は完全に抑えられていたイメージがあるね。しかも、そういうことを彼はあまり言わないタイプだから。
昌子 伊藤選手に言ってもらったのは本当にうれしかったですね。金井選手は雑誌の記事で読んだんですけど、「対峙した選手で誰が一番すごかったか?」という質問に対して、金井選手はサイドバックの選手なので普通はアタッカーを挙げるはずですけど、僕の名前を挙げてくれていたんです。
栗原 なるほど。でも、それぐらいのパフォーマンスを、特にF・マリノス戦ではしていたと思うよ。
昌子 ありがとうございます。
栗原 昌子選手自身は鹿島時代にJ1リーグ、ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)、天皇杯、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)とすべてのタイトルを獲っているし、海外でもプレーしているけど、次の目標って何になるの?
昌子 そうですね、確かに鹿島時代に獲れるタイトルはすべて獲らせていただいたんですけど、やっぱりチームが変わったので、もう一度、ガンバ大阪ですべてのタイトルを獲りたいと思っています。それが今の目標ですね。
栗原 かっこいいね。ポジションが一緒だったし、本当にすごい選手だなってずっと思っていたから、今日は話せてうれしかったよ。ありがとう。
昌子 いえいえ、僕はもう栗原さんと言えば、日産スタジアムで、いつだったか覚えていないんですけど、中村俊輔さんのコーナーキックをドンピシャで合わせたシーンが強烈に印象に残っていて。僕のマークではなかったんですけど。
栗原 確か、青木(剛)さんじゃない?
昌子 そうです、青木さんやったんですけど、「人間ってこんなにジャンプできるんや」と思いましたからね。
栗原 いやいや、そんなことないよ(笑)。
昌子 当時の鹿島にはヘディングに強い岩政大樹さんがいたんですけど、「こんなに強いヘディングが打てるんや」って。
栗原 確かにあの時はドンピシャだったね(笑)。
昌子 ボールってゴム製なのに「バチン!」って言うてましたから(笑)。あれがもう印象的でしたね。
栗原 今日は本当に連戦で疲れているところありがとう! 引き続き、期待して見ているよ。
昌子 はい。こちらこそ、今日はありがとうございました。
[プロフィール]
栗原勇蔵/1983年9月18日生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。