日本代表DFの瞬時の判断、「相手を信じた結果の対応」とは? 栗原勇蔵×昌子源対談【前編】
【月間表彰】7月の「月間ベストディフェンシブプレーヤー」にG大阪の昌子源を選出
スポーツチャンネル「DAZN」とパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」との連動企画で、元日本代表DFとして活躍した栗原勇蔵氏は7月のJリーグ「月間ベストディフェンシブプレーヤー」にガンバ大阪の日本代表DF昌子源を選出。同じセンターバックとして「好きな選手」に挙げる昌子の凄さとは――。意外にも初対面となる2人の対談が実現した。
前編では、昌子のセンターバックとしての高い能力が発揮されたシーンについて、頭の中を解説。凌ぎを削ってきたセンターバック同士にしか見えないディフェンスの世界について語り合った。
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昌子 栗原さん、初めましてですよね?
栗原 うん、そうだね。
昌子 試合では何度か対戦していますけど、こうやってお話しするのは本当に初めてなので、よろしくお願いします!
栗原 初めましてだけど、久しぶりです(笑)。今回は7月のベストディフェンシブプレーヤーに昌子選手を選ばせてもらったんだけど、7月はJリーグの試合数もチームによってバラバラだったから選ぶのは結構難しかったんです。でも、どの試合を見ても常に高いパフォーマンスでプレーしていたので、選出させてもらいました。
昌子 ありがとうございます!
栗原 こういった正式な対談でこんなことを言うのもなんだけど、昌子選手は個人的に大好きなセンターバックなんですよ。
昌子 え? 本当ですか? ありがとうございます!
栗原 周りにも言っているぐらい、本当です。だから正直、ちょっと好きな選手ということもプラスに作用したところはあります(笑)。
昌子 いや、でもうれしいです!
栗原 昌子選手というと、高いカバー力とか、強いヘディングに目が向きがちだけど、自分的は地上戦の強さのほうがすごく好きなんです。7月も確かにヘディングのシーンで目立ったプレーが多かったんだけど、今回はあえて7月30日の第4節北海道コンサドーレ札幌戦でのプレーを選出させていただきました。開始4分にジェイ選手のシュートをブロックしたシーンです。ただ、ディフェンスラインが揃っていなかったので、本人的には納得していないプレーなのかなとも思ったんだけど、どうかな?
昌子 そうですね。一瞬、ラインでジェイ選手をオフサイドにしようと思って、ちょっとサボらせてもらったシーンです(笑)。
栗原 やっぱり(笑)。ただね、昌子選手にしかできないプレーがあると思っていつも見ていて、いいFWやアタッカー陣との対決も楽しみにしているんだけど、この時のジェイ選手の対応はどう考えていたの?
昌子 このシーンに関して言えば、単純に、ジェイ選手にヘディングで勝つことはお互いの身長差を考えると難しいので、こまめなラインコントロールで勝負しました。(北海道コンサドーレ)札幌は福森(晃斗)選手を始めディフェンスラインからすごくいいボールが出てくるんですけど、このシーンもジェイ選手を越えたところにチャナティップ選手がいて、ヘディングで落とされて『まずいな』と思ったんです。でも戻りながらの対応だったので、ボールに行くというよりは、ゴールに体を投げ出そうと思って行ったら、たまたまボールが当たってくれたんです。