欧州選手権の主役となる「アンダードッグ」 過去大盤狂わせで世界を驚かせた6ヶ国とは

92年に代替出場から頂点にたどり着いたダニッシュ・ダイナマイト

 4年に一度の祭典がやって来る。ヨーロッパ最強を決める欧州選手権(EURO)2016年大会は10日にフランスで開催される。今回から出場国が従来の16から24代表へと増加。より多くのチームにチャンスが与えられている。

 英サッカー情報サイト「Squawka」では「EURO史上最も偉大なアンダードッグ(勝ち目のないチーム)たち」と題して、過去にEUROで起こった番狂わせを演じた6チームを特集している。「ダニッシュ・ダイナマイト」と称された古豪や、04年大会で衝撃の初優勝を成し遂げた神話の国などが紹介されている。

 1チーム目は1980年イタリア大会で準優勝を果たしたベルギー代表。当時はまだ出場国がわずか8ヶ国、2グループ構成で開催されていたこの大会、ベルギーは開催国イタリア、イングランド、スペインと同居したグループステージを1勝2分の首位で通過。決勝でカール=ハインツ・ルンメニゲ氏(現バイエルン・ミュンヘンCEO)らを擁した旧西ドイツに1-2敗れたが、大きなインパクトを残した。

 最新のFIFAランキングではアルゼンチンに次ぐ2位で、EURO参加国ではトップに立つベルギー。チェルシーMFエデン・アザールらを要する現在のタレント軍団は決してアンダードッグとはいえないが、00年以来4大会振りとなる大舞台で36年前にあと一歩届かなかった悲願達成を狙う。

 2チーム目は1992年スウェーデン大会のデンマーク代表。旧ユーゴスラビアのクロアチア紛争による出場資格取り消しに伴い、急きょ本大会出場が決まったデンマークだが、元マンチェスター・ユナイテッドGKピーター・シュマイケル氏や大会得点王のFWヘンリク・ラルセン氏ら名手を擁して見事に戴冠を成し遂げた。

「ダニッシュ・ダイナマイト」の愛称を持つ北欧の強豪はEUROでは優勝1回、ベスト4が2回と結果を残しているが、近年は低迷。92年の後は04年のベスト8が最高成績で、前回大会はグループステージで姿を消した。出場国枠が増えた今大会も2大会ぶりに予選で姿を消した。

 3チーム目は1996年イングランド大会のチェコ代表。若き日の元バロンドーラーMFパベル・ネドベドやMFカレル・ポボルスキーなどが活躍し準優勝を果たした。強豪イタリアを抑えてグループ2位で決勝トーナメントに進出。ルイス・フィーゴなどを要したポルトガル、ジネディーヌ・ジダンがいたフランスを連続で撃破した。決勝でドイツに延長の末1-2と惜敗したが、チェコスロバキアからの独立後、初となる国際舞台で世界を驚かせた。後にこの大会で台頭したネドベドらの黄金世代が中心となり、04年大会でもベスト4に進出するなどEUROでは好成績を残してきた。

 今大会では3連覇を狙うスペイン、クロアチア、トルコと同組に入った。前評判は決して高くないが、再び旋風を巻き起こすことはできるだろうか。

 

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