イメトレは完璧 U-21日本代表FW鈴木が宿敵・韓国相手に32年ぶりの勝利を引き寄せるゴールを渇望

スピードで韓国DFと勝負

  U-21日本代表のFW鈴木武蔵(新潟)は、28日の韓国・仁川のアジア大会準々決勝の韓国戦で、同大会32年ぶりとなる日韓戦勝利を目指すことを誓った。
 ジャマイカ出身のストライカーは、圧倒的な平面のスピードでゴールを量産してきた。その脳裏には、すでにゴールへの道筋を描いていた。27日の日韓戦前日練習後、相手DF陣の致命的な弱点を発見したというのだ。
「プレッシャーや、球際は激しく来る。自分たちのつなぐサッカーはやらせてもらえないかもしれない。相手のセンターバック(CB)は足が速くないので、うまくマークをはがして点をとりたい」
 世界最速男ウサイン・ボルトを尊敬するスピードスターは、大会5得点を記録し、チームをけん引する。中国・広州で行われた前回大会で名古屋FW永井謙佑が記録した5得点に並び、同大会日本人史上2位タイにつけている。日本サッカー界のゴールキング・釜本邦茂氏が66年のバンコク大会で挙げた6得点まであと「1」と迫る。日韓戦でゴールを決めれば、釜本氏と並ぶことになる。スピードのない韓国のCBを自慢の一瞬の加速で置き去りにするイメージは、すでに完璧にできあがっている。
 長年の宿敵、韓国との敵地での準々決勝ではブーイングなどさまざまな洗礼が待ち構えている。
「日韓戦は本当に楽しみ。韓国とやると自分たちの成長度合いもわかる。大事な試合だし、大事な経験になる。足元だけで受けていてはダメ。裏もどんどん狙っていきたい。試合が始まってすぐ、まず相手の背後をついて、点を取れたらいい。自分の実力以上のものは出せないのだから、今の自分の100%を出したい」
 試合開始直後から相手DF陣が不安を抱える裏のスペースに加速する。この先制パンチが決まれば、相手の勢いを削ぎ、スタンドを沈黙させることもできるだろう。過去のアジア大会での日韓戦は日本の1勝5敗。圧倒的に分が悪く、第9回ニューデリー大会の82年11月25日の1次リーグで2-1で勝利して以来、勝ち星はない。
 韓国は、23歳以上の選手枠をフル活用し、優勝すれば兵役免除となる本気モードだ。その相手に、アジア大会32年ぶりの勝利を勝ち取るため、鈴木がゴールを決める。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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