久保建英、マジョルカ“復帰”実現の背景 「1部残留の主役」へ、いばらの道を進む覚悟

格上相手と戦い続けるシーズン、五輪スペイン戦のような試合展開で輝けるか

 いずれにしろ、マジョルカで求められるのはコンスタントに試合出場し、得点やアシストといった結果を出すこと。そしてチームを1部残留に導く“主役”としての活躍だ。いわば個人的なアピールを果たしたスペイン1年目、自らの手でチーム(ヘタフェ)の1部残留を決めた2年目の良いとこ取りが最低条件で、さらにビジャレアル時代に叶わなかった先発フル出場をしなければならないということになる。

 問題はほぼすべての対戦相手が、実力的に上になる点。自分たち主導でプレーできる時間帯は比較的少なく、むしろ精神的な我慢と体力的な消耗を強いられつつ、限られたチャンスを生かして結果を出さなければならない。イメージはスペインと戦った東京五輪準決勝。押し込まれつつも辛抱し、延長戦の一発で力尽きたシーンを繰り返すことなく、逆に笑顔に変えなければならないということだ。五輪を悔し涙で終えた久保の、強い決意を胸に秘めた新たな戦いが始まる。

(島田 徹 / Toru Shimada)



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島田 徹

1971年、山口市出身。地元紙記者を経て2001年渡西。04年からスペイン・マジョルカ在住。スポーツ紙通信員のほか、写真記者としてスペインリーグやスポーツ紙「マルカ」に写真提供、ウェブサイトの翻訳など、スペインサッカーに関わる仕事を行っている。

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