東大サッカー部、欧州プロクラブと異例の提携 インスブルックが“分析技術”を高く評価
インスブルックU23を率いるモラス雅輝氏が東大テクニカルユニットの活動に注目
東京大学運動会ア式蹴球部(体育会サッカー部)は20日、オーストリア2部のFCヴァッカー・インスブルックとのパートナーシップ締結を発表した。同部のテクニカルユニットによる分析能力が高く評価され、U23チームの映像分析やトレーニングメニューの共同考案などを行うという。
今回の提携はア式蹴球部が昨年度から取り組む国際的活動のプロジェクトの一環で実現したもの。同部の国際的活動ユニット長を務める野中滉大氏はリリースを通じ、「東大ア式蹴球部は国内最大規模のテクニカルユニット(20人もの専門分析官)や学問的知見を備えたフィジカルコーチなどを擁し、ピッチ内外での先進性や専門性を独自の強みであると捉えています。そうした領域で最先端を走る欧州との関わりを通じてさらに我々の強みを向上させ、知見の供給や人材の輩出を通じて日本サッカー界に貢献したいと考えています」と意気込みを明かしている。
FCヴァッカー・インスブルックのU23チームでは、ヴィッセル神戸のアシスタントコーチなどを務めたモラス雅輝氏が、今年6月に新監督に就任。同氏がア式蹴球部のテクニカルユニットの活動に注目したことがきっかけとなった。欧州のプロクラブと大学サッカー部の連携、またそれが部の分析チームが中心となる点においても異例のパートナーシップと言えそうだ。
今後ア式蹴球部とFCヴァッカー・インスブルックは、「テクニカルユニットによるFC Wacker Innsbruck U23チームの映像分析」「インスブルック現地へのインターン派遣」「トレーニングメニュー/メソッドの共同考案」「その他サッカーの分析全般に関する共同研究」といった活動を行い、関係性の構築を進めていく予定だという。
ア式蹴球部のテクニカルスタッフ、岡本康太郎氏からのコメントは以下の通り。
「このような提携を結ばせていただきましたこと、大変光栄に感じております。
弊部は昨年度より国際的活動と呼ばれるプロジェクトを立ち上げ、その一環として海外クラブとの繋がりを模索してきました。そんななかFCヴァッカー・インスブルックのU23チーム監督を務めるモラス雅輝様から直接お声かけいただき、弊部テクニカルユニットの先進性に注目していただいたことで提携に至った次第です。
今後両クラブはサッカーの分析や知見の交換を通じ、国境を跨いだ包括的かつ長期的な関係性を構築していきます。
この提携が両クラブの価値を大きく高め、ひいては日本とオーストリアのサッカー界により良い影響をもたらせるようなものになることを確信しています。今後も今回の提携に関して様々な情報を発信していきますので、どうぞご期待ください」
■FC Wacker Innsbruck×東大ア式 提携のお知らせ(東京大学運動会ア式蹴球部公式サイト)
https://todai-soccer.com/2021/08/20/news-fcwackerinnsbruck-jp/
(FOOTBALL ZONE編集部)