FC東京FW武藤の勢い止まらず2得点の活躍で今季11点目 リーグ新人最多記録まであと「2」
止まらない勢い
乗りに乗る男の勢いは、まだまだ止まりそうにない。
FC東京のFW武藤嘉紀は27日、ホーム柏戦で2得点を挙げ、今季開幕前から目標に掲げてきた、二桁得点を達成した。ハビエル・アギーレ監督が視察に訪れた御前試合で、日本代表への定着を強烈にアピールした。
武藤は、ブラジルワールドカップによるリーグ中断明け以降、11戦7得点のハイペースで得点を量産し続けてきた。そして、この試合前までに、今年の目標と語ってきた二桁得点まであと1点と迫り、「ようやくここまできた」と口にした。さらに、その先には、2009年にチームメートのFW渡辺千真が横浜M時代に記録したJリーグ新人最多記録の13得点が待っている。
試合前、記録について聞かれると、こう語っていた。
「10点取れば、13得点も見えてくる。相手も研究してきているけど、止められないスキルと、逆をとるプレーも身に着けていきたい」
その言葉どおり、いきなり味の素スタジアムを沸騰させた。開始4分、右サイドを徳永悠平がドリブルで切り裂くと、最終ラインとGKの間にクロスを通した。そこに、背番号「14」が走り込み、左ひざでゴールへと押し込み、先制点を挙げた。
さらに、これで終わらない。前半ロスタイムに、河野広貴が中盤でボールを奪う。すると、その瞬間、前線に残っていた武藤がギアチェンジ。河野のスルーパスに抜け出て、迫り来る相手GKの鼻先でボールを浮かせてゴールへと流し込んだ。
武藤の2ゴールの活躍もあり、東京は4-0で柏に快勝し、負けなしの記録を14試合に伸ばした。
日本サッカー協会は、来月1日に国際親善試合のジャマイカ戦(10月10日・新潟)と、ブラジル戦(10月14日・シンガポール)に臨む代表発表を行う。アギーレ日本代表監督の目にも、確かにこの日の武藤のプレーが焼きついたはずだ。東京も、背番号「14」も、その勢いはまだまだ止まりそうにない。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web