新生なでしこ、世界女王アメリカに劇的ドロー! 大儀見退場も”女メッシ”が後半ATに同点弾

高倉新体制でアメリカと互角に渡り合う

 後半から高倉監督はMF宇津木に代えてMF川村優里(仙台)を投入した。同11分には現在11試合12得点でリーグ得点ランクトップのFW横山をFW岩渕に代えて投入。なでしこは積極的にミドルシュートも放ち、アメリカと互角以上に渡り合っていった。

 しかし、その直後の同12分にアクシデント。敵陣深くで相手に後方からタックルを仕掛けたMF大儀見が、この試合2枚目のイエローカードを受けて退場処分になり、なでしこは数的不利に陥った。高倉監督は同17分に、MF千葉に代えてMF増矢理花(INAC)を投入し修正を図る。

 しかし、その直後の同19分、日本の左サイド浅い位置からのセットプレーからゴール前に上がったボールをFWモーガンに頭で合わせられ、2-2の同点に追いつかれた。モーガンはこれで日本戦の通算6ゴール目となった。

 会場のデンバーは、マラソンの高地トレーニングでも使用されるような標高1600メートルの地とあり、数的不利の負担は一気にのしかかった。アメリカの勝利を求める会場の大声援もあり、完全アウェーの状態になった。高倉監督は同37分に代表デビューとなるMF中里優を投入し、MF川村を左サイドバックに回して最終ラインを補強した。

 そして試合は終了間際にさらに動いた。同44分にゴール前に挙げられたシンプルなボールに日本GK山下杏也加(日テレ)が飛び出すもパンチングできず、相手FWリンジー・ホランに決められ2-3と逆転を許した。しかし、アディショナルタイム3分、なでしこは中盤でMF増矢、MF阪口とつなぎ、最後はMF阪口のパスをFW横山が決めて3-3の同点。数的不利の中で意地を見せたなでしこが、女子の世界王者アメリカを相手に敵地で引き分けを勝ち取った。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

 

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