メッシ、ネイマールらの派遣に影響も… W杯南米予選、FIFAの“日程変更”が波紋
南米予選の一方的な日程変更に対し、クラブ側から“異議”を唱える声が噴出
またしても国際サッカー連盟(FIFA)とクラブチームの間で利害対立による争いが起きようとしている。イタリアのサッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」では、世界40カ国のリーグが参加するフォーラムにおいて、FIFAによるワールドカップ(W杯)南米予選の一方的な日程変更に対し、選手の派遣を拒否すべきという意見が出ていると報じた。
このフォーラムには、欧州5大リーグといわれるような主要国だけでなくJリーグも名を連ねている。その中で、FIFAは「南米サッカー連盟が2試合ではなく3試合を予定できるように、2021年9月と10月の国際期間を2日延長することを決定した」うえに「選手の所属クラブへの復帰に検疫が必要な場合にも、派遣義務の例外を拡大しない」ことも通達したという。
つまり、FIFAは国際Aマッチデーやインターナショナル・マッチウィークとも言われる日程を、このタイミングで南米予選に関しては一方的に延長したうえに、新型コロナウイルスの影響で国境をまたぐ選手の移動の際に隔離措置などが義務づけられ、クラブの試合に欠場が余儀なくされる場合も選手派遣を拒否することを認めないという決定を伝えたことになった。
この結果、フランスの強豪パリ・サンジェルマン(PSG)を例にとった場合、ブラジル代表FWネイマールやアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが、9月や10月に代表チームに合流した場合、カレンダーの変更や検疫のためにクラブの試合を欠場することを余儀なくされる可能性がある。そして、メッシやネイマールがクラブでの試合を欠場したくないと思えば、代表チームでの活動から早期に離脱することが必要になってしまうようだ。
確かに、W杯南米予選の試合は現時点で各チームが12試合消化している予定だったものの、昨年から新型コロナウイルスの影響で延期された日程があり6試合消化にとどまっている。当初は今年の11月に全試合が終了予定だったが、現時点では来年3月まで日程が組まれたものの、2試合の行き場がなくなっている。
来年6月には5位チームが進出する大陸間プレーオフがある。欧州のシーズンが佳境になる4月、5月に代表戦の日程は組めないため、3月までのどこかで日程を捻出しなければならないが、クラブからすれば9月と10月でそれを吸収しようというのはあまりにも急な日程変更ということになるだろう。
こうしたFIFAとの間による代表とクラブでの選手の取り合い、利害対立は今に始まったことではないが、またしても論争が起こることになりそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)