「ベンチワークで負けていた」 五輪で失速した日本、闘莉王が采配の“問題点”指摘

日本は綿密なプランニングは得意だが、想定外のことが起こると崩れてしまう

 準決勝のスペイン戦では、ポゼッションで圧倒的に相手に上回られた。あれだけ苦しい時間帯が多くなるなかで、やっと日本のボールになる。だが苦しい状態からキープできるようになった時に、攻め急いでしまった。ボールをロストし、逆に相手にカウンターを許すと、ディフェンダーとしては本当に苦しい展開になった。この暑さなら、日本のほうが終盤に体力的な部分で優位性を手にできる。日本は暑さに慣れている。スペイン相手にジャブのようにどんどんボールを回して、相手を敵陣に押し込んだ状況なら、日本は確実に優位になったのではないか。

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 カウンター自体は悪手ではない。消耗が顕著なスペインが今、何をされたくないのか、何をされると困るのか、という思考が必要だ。

 残念ながら、日本人監督は駆け引きに関して、そこまでのレベルに至っていない印象がある。文化的な部分も理由にはあると思う。日本はすべてにわたって綿密なプランニングで進める。これは美徳だが、想定外のことが起こると立て直せず、ベンチがバタバタして崩れてしまうことが多い。リードされた後の“プランB”が、今回見えてこなかった。サッカーは日本から生まれたスポーツではない。ピッチの中では、日本文化とはかけ離れたことも起こりうる。

 ベンチワークに限界が露呈した。戦術的に機能していないのなら、プランBを選手で見出すことも大事。ピッチ内での対応力。点を取れないなら、戦略を替えていく。どんどん試合の中で感じていることを選手同士で発信していく。そうすれば、勝ち筋が増えてくる。

 3位決定戦のメキシコ戦で、遠藤航は目に見えて不調だった。不要なPKを与え、セットプレーでも失点に絡み続けた。だが、どんな選手にもそういう日はある。敗戦は遠藤のせいではない。引っ張り続けたベンチの責任だ。ポジションを少し替えよう、違う選手に交代させようという、早い修正と判断が重要だと感じた。

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