三笘が才能証明…なぜ「生かしきれなかった」のか メキシコ戦出場16人を金田喜稔が採点
久保は「ゲームを作りながら常にシュートチャンスを狙っていた」
■久保建英(レアル・マドリード)=★★★★
ボールを持てばなんでもできて、やはり上手いと感じさせるプレーを見せていた。相手もグループリーグの対戦でやられている分、相当警戒していて、カットインから思うようにシュートを打たせてもらえないシーンもあった。ただそのなかでも久保は、しっかりとタメを作れるし、自分でゲームを作りながら常にシュートチャンスを狙っていた。後半33分に右サイドで受け、中へ入りながら三笘へパスを送りゴールをアシスト。試合後の涙には五輪の舞台に懸けていた思いが伝わってきたが、久保自身はしっかりと成長を示し、今後のA代表にも関わってくる選手だと証明した。
■堂安 律(PSV)=★★★
スペイン戦では守備面での貢献度が素晴らしく、勝っていれば5つ星を与えて良いパフォーマンスと評価したが、やはり疲労もあったのだろうか、この試合では堂安らしさを発揮できなかった。なかなかボールに絡めず、“10番”を背負う選手に求められる役割は果たせなかった印象。本人にとっても不本意な五輪最終戦になってしまった。
■遠藤 航(シュツットガルト/→後半35分OUT)=★★
さすがの遠藤も6試合連続スタメンで疲れ切っていた。何度か高い位置に進出してシュートも放ったが、前半11分にドリブルでペナルティーエリア内に侵入する相手を倒してPKを献上。その後のセットプレーからの2失点でもマークにつききれず、結果的に奪われた3点すべてに絡んだことは大きな減点となる。しかし大会を通じた遠藤の貢献度は高く、彼なくして4位という結果はなかった。
■田中 碧(デュッセルドルフ/→後半26分OUT)=★★★
田中も全試合スタメンとなったが、精力的なプレーを見せてくれた。長短のパスで攻撃のつなぎ役となりながら、守備時にも局面で力強い守備も見せた。五輪を通じて、遠藤とダブルボランチを組み続け、コンビネーションを高めたことは日本サッカー界にとって大きい。次はA代表、W杯アジア最終予選に向けてまずはドイツの新天地でポジションをつかみ、さらなる飛躍に期待したい。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。