森保監督は「失敗した」 英国人記者、日本のメダル逸を招いた2つの“戦略ミス”を指摘
4位に終わった日本の戦いを総括、前回対戦時と立場が逆転したメキシコ戦序盤の劣勢
U-24日本代表は6日、東京五輪サッカー男子の3位決定戦でメキシコと対戦し、1968年大会以来の銅メダルを目指したものの1-3で敗れ、大会を4位で終えた。MF遠藤航が与えたPKにより前半13分に先制点を献上すると、同22分にFKから追加点を決められ前半を0-2で折り返す苦しい展開に。後半13分にまたもセットプレーから決定的な3点目を決められると、同33分に途中出場のMF三笘薫が1点を返すも1-3で完敗した。
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2012年のロンドン五輪に続き、3位決定戦で敗れてメダルを逃す結果となった一戦を、海外の識者はどのように見たのか。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、試合序盤の両者の立場がグループリーグ対戦時とは逆転し、日本の選手の動きが遅かったと指摘。それを招いたのはメンバー固定による疲労蓄積と、違いを生み出せる才能を持った選手を森保一監督が信頼しきれなかったことであり、チームマネジメントに問題があったとしている。
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すべての努力、希望、期待は泡と消え、日本のオリンピックは何も得ることなく終わりを迎えた。4位。起こり得る最悪の結果だった。夢は壊された。その責任の大部分は森保一監督にある。
今回のオリンピックが、過酷なスケジュールで行われることは誰もが分かっていたことだ。FIFAやIOCでさえも、その過酷さは認めていた。新型コロナウイルスの影響によって、監督は本来の18人ではなく22人のメンバーを選ぶことができた。そのため、リカバリーと選手たちの活用が大きな要因となるはずだった。
森保監督はその点で失敗した。他にも、セットプレーでの守備の脆さなど失敗はあった。その代償として、日本はメキシコ戦の最初の15分で分かりやすく動揺していた。グループリーグで日本がメキシコを破った時と、不気味なほどよく似ていた。
激しく、そして速かった。約2週間前に上手くいったことが、今回も上手くいった。しかし、今回は立場が逆転していた。日本の動きは遅く、ほぼすべてのボールで遅れを取った。まるで選手たちは、キックオフの時間変更を伝えられていないかのようだった。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。