「この悪夢から起こして」 スウェーデン女子GK、激闘PK戦の末の金メダル逸に失意吐露
GKリンダール、PK戦で2本のセーブを見せるも一歩及ばず準優勝に胸中を綴る
東京五輪のサッカー女子で決勝に進出したスウェーデンは、6日に横浜国際総合競技場でカナダと対戦。延長PK戦の末に敗れ、初の金メダル獲得を逃した。PK戦で2本のシュートストップを見せながら敗れたスウェーデンのGKヘドヴィグ・リンダールは試合後、自身の公式インスタグラムで「この悪夢から起こして」と胸中を吐露した。
FIFAランキング5位のスウェーデンは、今大会のグループリーグ初戦で優勝候補の同ランキング1位アメリカに3-0と快勝。その後、オーストラリア(4-2)、ニュージーランド(2-0)にも快勝して首位通過を決めると、7月30日に行われたなでしこジャパン(日本女子代表)との準々決勝でも3-1と勝利。準決勝ではオーストラリアを1-0で下し、決勝へ駒を進めた。
スウェーデンは前半34分にFWスティーナ・ブラックステニウスのゴールで先制。しかし、後半19分、DFアマンダ・イレステトがペナルティーエリア内で相手の主将FWクリスティン・シンクレアを倒してしまう。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の進言による映像確認の結果PKが与えられ、これをMFジェシー・フレミングに決められて同点に追いつかれた。
1-1のまま90分間を終えた試合は、延長前後半30分でも決着がつかず、PK戦に突入。先行のスウェーデンは1人目のFWコソヴァレ・アスラニが右ポストに当てて失敗するも、直後に守護神リンダールがPKストップを決めてタイに戻す。カナダの3人目がクロスバー直撃、4人目のシュートをリンダールがセーブしたことでスウェーデンがリードを奪ったが、5人目を任された途中出場のMFオリヴィア・ヒョウグが枠外に外してサドンデスにもつれる。
スウェーデンは6人目のDFヨンナ・アンデションがカナダGKステファニー・ラベのセーブに遭って再びビハインドに。最後はリンダールも相手MFジュリア・グロッソのシュートを止められず、PKスコア2-3で敗れた。
今大会6試合中5戦でゴールマウスを守ったGKリンダールは、日々の代表活動に関して日記的にインスタグラムでアップしてきたなか、試合後にPKで決着がついた瞬間、ピッチに顔をうずめて悔しさで崩れる様子を収めた写真とともに、「(代表活動)30日目:この悪夢から私を起こして」と胸中を綴った。
2016年のリオ五輪でも準優勝に甘んじたリンダール。38歳の守護神は突きつけられた現実を受け止めきれずにいた。