堂安と久保を「なぜ代えたのか」 采配に疑問…スペイン戦出場16人を金田喜稔が採点
遠藤が見せる安定感は「今大会でもトップクラス」
■久保建英(レアル・マドリード/→延長前半開始前OUT)=★★★★
前半から今までの試合以上に守備に時間を割かれるなかで、堂安とともにカウンターアタックを牽引。ボールを持てばスペイン守備陣も明らかに警戒しており、久保自身も積極的な仕掛けやミドルシュートの意識を示していた。もちろん疲れは見えていたが、久保の威圧感は延長戦でも相手を苦しめたはず。それだけに90分を終えた段階で、ベンチに下げた判断は残念だった。
■堂安 律(PSV/→延長前半開始前OUT)=★★★★
勝利していれば間違いなく“5つ星”を与えられたほどのパフォーマンス。前の2試合では10番を背負う選手として物足りない出来だったが、この試合では圧倒的な存在感を示した。特に体を張った守備と、奪った後にスペインの選手をも圧倒するボールキープが秀逸。その象徴が後半アディショナルタイムに見せたワンシーン。自陣で自らボールをカットすると、スビメンディに後方からユニフォームを引っ張られながらも倒れずにドリブルで前進、相手へのイエローカードを誘発した。あれだけの爆発力を終盤の時間帯に示していたのに、なぜ久保とともに延長戦でベンチに下げられたのか。自分自身の現役時代の経験からすると、あれだけスペインに押し込まれた試合では、いくら守備に走り回るといっても攻撃陣が走る距離は短く、体力は余っているもの。もちろん、交代には森保監督の意図があり、チームを率いる指揮官の決断は尊重したい。ただ、スペインの足も止まるであろう延長戦でこそ、堂安と久保の攻撃センスは輝いたはずで、彼らのコンビネーションで勝ってきたチームだからこそ、ベンチに下げるべきではなかった。
■遠藤 航(シュツットガルト)=★★★★
この試合でも最終ラインの前でハイレベルな守備を披露。球際の強さはスペインの選手も苦しめており、田中とカバーし合いながら破綻を防いだ。時には高い位置に進出するなど、チームの心臓として機能。この安定感はおそらく、今大会に出場しているボランチでもトップクラスだろう。3位決定戦に向けても外せない存在だ。
■田中 碧(デュッセルドルフ/→延長後半13分OUT)=★★★★
守勢に回る時間が長いなかで、いつも以上に強度の高いディフェンスを見せ続けた。ビルドアップ時にも的確にボールをつなぐなど存在感を発揮。遠藤とのコンビネーションも熟成されており、中盤の底に不可欠な選手となっている。