「1歩、2歩分ズレた」 スペインに惜敗の日本、元代表DFが指摘した勝負の分かれ目は?

スペイン代表に惜敗で決勝進出ならず【写真:AP】
スペイン代表に惜敗で決勝進出ならず【写真:AP】

元日本代表DF栗原勇蔵氏、スペインは「想像以上に強かった」

 U-24日本代表は3日、東京五輪サッカー男子の準決勝で強豪スペインと対戦。90分間で決着がつかず、延長戦に突入したなか、同後半10分に相手FWマルコ・アセンシオの決勝ゴールを被弾し、0-1で敗れた。元日本代表DF栗原勇蔵氏は、スローインでボールが入った瞬間のプレーが日本にとっては不運だったと分析している。

 準々決勝でニュージーランド代表をPK戦の末に下し、2大会ぶり3回目のベスト4進出を果たした日本は、立ち上がりからボールポゼッションで優位に立ったスペインを前に、カウンターからチャンスを窺う形で試合を展開。自陣に押し込まれる時間が長く、前半39分にはスペインFWラファ・ミルに抜け出されピンチを迎えるも、GK谷晃生が好セーブを見せて0-0でハーフタイムを迎えた。

 後半も流れは変わらないなか後半10分、自陣ペナルティーエリア内で吉田麻也がMFミケル・メリノを倒したとして、主審がPKを宣告。吉田には警告も出されたが、スロー映像を見る限り、吉田が先にボールに触れた上で、メリノが吉田の足を蹴って倒れた形になっていたため、主審はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の進言を受けたうえで、オンフィールドレビューで確認。一度宣告したPKと吉田への警告が取り消しになった。

 その後も、スペインに押されながらも粘りの守備で耐え、スコアレスのまま延長戦へ突入。久保建英、堂安律をベンチに下げてワンチャンスを狙ったが、延長後半10分、ペナルティーエリア内から最後はアセンシオに鮮やかな左足シュートを叩き込まれて先制を許し、これが決勝点となってしまった。

 シュート数9対18、ボール支配率39%対61%と数字でもスペインが押す展開だったことがうかがえるが、栗原氏も「率直な感想は、想像以上にスペインは強かった」と振り返る。

「守備に関しては集中して守れていたと思うけど、序盤に日本の選手たちはかなり圧力を感じていたと思います。奪ったあと、相手の圧力に慌てるところもあった。前線が孤立して、やっとのことで前に(ボールを)送っている状況。(久保、堂安、旗手怜央の)2列目が上がる時間も与えてもらえない。かなり不利な状況で林(大地)に入るから、いつもよりも自信を持った飛び出しが少なかったですね」

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