イタリアの名将がバイエルンで貫く流儀 CL王座奪還へ”継続路線”を宣言
バランス重視の采配を明言したアンチェロッティ監督
来季からバイエルン・ミュンヘンの監督に就任するカルロ・アンチェロッティ氏が、衛星放送局「スカイ・ドイツ」によるインタビューに応じ「私は多くの変更をしようとは思わない」と、継続路線でブンデスリーガ5連覇やUEFAチャンピオンズリーグ(CL)制覇などのタイトル獲得を目指すと語っている。
「私は、このチームにあまりにも多くの変化を加えたいとは思っていない。私の前には、やるべき多くの仕事が列をなしている。もちろん、私はこの信じられないような素晴らしいシーズンを送ったチームを、さらに良くしていかなければならないと思っている」
過去にACミランやチェルシー、パリ・サンジェルマン、レアル・マドリードを率いて4カ国でタイトルを手にしてきた名将が、5カ国目となるドイツに乗り込むことになる。奇をてらった戦術や、攻撃的にも守備的にも強烈に針を振ることはないが、素晴らしくバランスのとれたチームを作ることで知られるアンチェロッティ氏は、前任のジョゼップ・グアルディオラ氏によって作られたチームに対して、継続と緩やかな変化での成長を促すという。
「当然、私は自分の哲学やプレースタイルをチームに持ち込もうとは思う。だが、それは焦ることではない。すでにこのチームは十分にファンタスティックであるのだから」
ドイツでは絶対王者としての地位を確立しているバイエルンだけに、リーグ優勝をしても素晴らしい成績とは認識されない立場にある。アンチェロッティ氏に期待されるのは、前任者が成しえなかったCLのタイトル獲得になるが、持ち前のバランスのとれたサッカーを披露して、監督として自身4度目となる欧州の頂点へ、チームを導くことができるだろうか。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images