“絶対女王”の面影なき米女子代表、FWラピノーが胸中告白 「深くて、分からない」
12年のロンドン五輪以来、2大会ぶりの金メダル獲得を逃す
東京五輪サッカー女子の準決勝が2日に行われ、優勝候補のアメリカがカナダに0-1で敗れた。グループリーグ(GL)初戦のスウェーデン戦(0-3)に続く敗戦を喫し、過去4度の金メダル獲得を誇る”絶対女王”らしさは影を潜めているが、その要因についてFWミーガン・ラピノーは「深くて、深くて、分からない」と、理解に苦しんでいることを米メディアに対して明かした。
アメリカは準決勝でオランダをPK戦の末に下してベスト4へ進出。立ち上がりから押し気味に試合を展開したが、カナダの組織的な守りを崩せず、前半30分にはハイボールを処理した際に右膝を傷めたGKアリッサ・ネイハーが負傷交代を余儀なくされるアクシデントにも見舞われる。
後半に入りFWミーガン・ラピノーらを投入し打開を図るも、逆に同74分、ペナルティーエリア内での接触プレーがビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入によりファウルと判定されPKを献上。これをMFジェシー・フレミングに決められ先制を許すと、その後の反撃は実らず2012年のロンドン五輪以来、2大会ぶりの金メダル獲得を逃した。
試合後、米大手スポーツサイト「ESPN」はこの試合の後半15分から途中出場したラピノーのコメントを報道。PKの1失点により、金メダルを逃す形となったカナダ戦の敗戦を振り返り、「最悪です。私たちはミスが多すぎた。自分たちがプレーできるスペースはあったと思うけれど、そこに入れなかった」と、チームとして思い通りの試合運びが出来ていなかったと指摘した。
五輪、女子ワールドカップとも、過去4度の優勝を誇るアメリカも、今大会ではGL初戦のスウェーデン戦でいきなり完敗を喫し黒星スタート。44試合続いていた無敗記録が途絶えると、ニュージーランドとのGL第2戦こそ6-1で圧勝したものの、続くオーストラリア戦はスコアレスドロー。準々決勝のオランダ戦も、2-2からのPK戦(4-2)で何とか勝利を収めたものだった。
”絶対女王”らしさが影を潜めたことについて、2019年に女子バロンドール、FIFA女子最優秀選手賞を受賞したラピノーは、「私たちには流れがなかった」としつつも「私たちのベンチは深くて、深くて、地獄のように深い。だから、それを理由にすることはできないと思う。私にはそれがよく分からない。大会全体を振り返ってみると、いつものようなジュースが出てこなかった」と、不振の要因が複雑なものであることをほのめかした。
カナダに敗れたアメリカは、銅メダル獲得を懸け、5日の3位決定戦へ臨む。
(FOOTBALL ZONE編集部)