死闘で見せた“気概”、「感性が合わなかった」選手は? NZ戦出場16人を金田喜稔が採点

橋岡は守備で奮闘も攻撃時に「周囲とリズムやタイミングが合っていなかった」

<DF>
■旗手怜央(川崎フロンターレ/→延長前半開始前OUT)=★★★★

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 左サイドバックでスタメン出場し、中山投入後は一列前へ。森保監督からの信頼感は絶大で、後半31分には橋岡のクロスに飛び込む決定機を迎えたが決めきれなかった。チーム全体が連動性を失っていたこともあり、攻撃面での効果的な働きが限られた一方、守備面でも破綻をきたすことはなかった。

■冨安健洋(ボローニャ)=★★★★

 まだ完全にコンディションが戻っていないのかもしれないが、そのなかでも相手の攻撃陣に仕事をさせず。吉田とのコンビで強固な守備を築き、無失点に貢献したことは高く評価したい。イエローカードを受けて準決勝のスペイン戦に出場できないのは痛いが、最後の1試合に向けてコンディションを整えたいところだ。

■吉田麻也(サンプドリア)=★★★★★

 ウッドら相手の屈強なストライカーに対し、ロングボールを的確にはね返すなど120分間にわたって抑えた。延長後半3分に枠内に飛んだ相手のシュートを防いだのも、吉田の経験値や読みの鋭さが発揮された瞬間だった。PK戦でのシュートも落ち着いていて、さすがの存在感。死闘を制した立役者の1人だろう。

■橋岡大樹(シント=トロイデン)=★★★★

 酒井の代役として右サイドバックに入り、球際での守備で奮闘。相手に振り切られるシーンもあったものの、最後のところで踏ん張りを見せて無失点に貢献した。持ち味である攻撃面でも何度か高い位置まで進出したが、周囲とのリズムやパスを供給するタイミングが少し合っていなかったか。感性が合っていなかった印象で、今大会でのプレー時間が少ない影響があったかもしれない。

<GK>
■谷 晃生(湘南ベルマーレ)=★★★★★

 PK戦でのセーブは見事なもので、守護神としてチームを救ってくれた。試合中もセービングや相手のハイボールに対する処理や判断が的確。今大会で試合を重ねるごとに安定感を増している印象がある。こうした大会で上へいくチームには、必ず悪い流れのなかで勝利をもぎ取り、勝ち上がっていく試合があるもの。谷のスーパーセーブで日本が手にした運を、次のスペイン戦でも味方につけたいところだ。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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