死闘で見せた“気概”、「感性が合わなかった」選手は? NZ戦出場16人を金田喜稔が採点

低調だった堂安「個人で局面を変えるほどの力は見せきれていない」

■久保建英(レアル・マドリード)=★★★★

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 相手から激しいマークを受け、これまでのように自由にプレーさせてくれなかったが、苦しいなかでも随所に久保らしさは見せていた。チームとして連動性を発揮できないなかで、自分で点を取りにいこうと強い気持ちを見せ、ミドルシュートを積極的に狙っていた点は評価したい。今大会を通じて、「自分が攻撃陣のリーダーになる」という気概をプレーでしっかりと表してくれている。準決勝のスペイン戦に向けた発言にも覚悟を感じるだけに、活躍に期待したい。

■堂安 律(PSV/→延長後半開始前OUT)=★★★

 フランス戦に続いて、堂安本来のパフォーマンスではなかった。もちろん、相手のマークは厳しかった。2人がかりで止めにくるようなシーンも多く、フィジカルが強いのでバックパスで逃れることはできていたが、局面に変化をつけるようなプレーは少なかった印象だ。前に仕掛けるタイミングがある時でも、個人で局面を変えるほどの力は見せきれていない。コンディションの問題もあったのかもしれないが、PK戦を意識し始める延長後半の開始時に交代。メキシコ戦でPKを成功させていた堂安にとっては悔しさもあったはずだ。

■遠藤 航(シュツットガルト)=★★★★

 4試合連続スタメン、この暑さのなかでコンディションが落ちているなかでも局面での1対1に負けず、ボールを前に運んでいく力も見せた。最終ラインが下がって間延びし、中盤の選手にとっては厳しい試合だったが、120分にわたって破綻を防いだのはさすが。悔やまれるのは前半10分の決定的なシーン。インパクトさえしっかりできれば決まっていた場面だっただけに、試合展開を大きく左右したという点で大きなワンプレーになった。

■田中 碧(デュッセルドルフ/→延長前半開始前OUT)=★★★★

 後半28分にキックフェイントから左足で狙ったミドルシュートは可能性を感じさせるものだった。相手の守備が前に出ざるをえない状況になったことで日本に流れが傾くかと思われたが、チーム全体が間延びしていた展開は変わらず最後までリズムが生まれなかった。ロングボールを蹴ってくる相手に対して最終ラインが下がり、中盤でたくさん顔を出してボールをさばいていく田中の特長を発揮しにくいゲームだったのは間違いない。もう少し遠藤とのコンビネーションで自分たちに流れを引き寄せる動きがあっても良かったが、守備を含めて最低限の役割はこなしていた。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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