選手、監督としてCLを制覇した史上7人目の名将ジダン 至高の“ダブル”を達成した偉大な6人とは
ジダンが敬愛するイタリア人指揮官も
そのライカールト氏とミラン時代の同僚で、ジダン氏にとっての恩師カルロ・アンチェロッティ氏は監督として豊富な優勝経験を持つ。現役時代にミランで欧州連覇を経験したアンチェロッティ氏は、指揮官としてもミランを02-03、06-07の2度にわたって優勝に導いている。そして2シーズン前にはジダン氏がアシスタントコーチを務めたレアルで指揮を執り、「デシマ」と呼ばれるクラブ通算10度目のCL制覇に貢献した。
この6人がサッカー史に残るプレーヤー、そして名将であることは間違いない。そのなかに、ジダン監督の名前も刻まれることになった。
ジダン監督の現役時代、語り草になっているのが01-02シーズンのCL決勝レバークーゼン戦だ。DFロベルト・カルロスの浮き球クロスを鮮やかな左足ボレーで叩き込んだ決勝点。衝撃のスーパーゴールから14年を経たミラノ決戦でも、天性の勝負師ぶりを発揮。多くの選手が足をつるなかで交代枠を使い切ってしまい、不振のポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドを引っ張り続けた挙句、足に痙攣を起こすなど、その采配は裏目に出かけた。だが、PK戦最後のキッカーは信じてピッチに置き続けたロナウドが決めた。
ジダン監督の半年間の功績はあまりに大きい。選手の人心掌握を全くできずに半年間で解任されたラファエル・ベニテス前監督の後を受けて、バラバラだったチームにエル・ブランコで戦う誇りを注入した。4月に行われたクラシコでは宿敵バルセロナを敵地カンプ・ノウで撃破するなど、2位ながらリーグ戦12連勝で締めくくった。勝利を課される”白い巨人”の指揮官として、圧倒的なカリスマ性を発揮している。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images