スウェーデンは「生き延びた」 五輪ベスト8日本戦、「VARカオス」の明暗に母国注目
スウェーデンは前半のPK判定はVARの末に回避し、後半はVAR判定でPKを獲得
なでしこジャパン(日本女子代表)は7月30日、東京五輪女子サッカーの準々決勝スウェーデン戦に1-3で敗れ、ベスト8で姿を消した。日本としては、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)で勝ち越しのチャンスになる可能性があったPKが取り消され、逆にVARでダメ押し点となるPKを献上する展開となり、対戦国メディアは「スウェーデンがVARカオスの末に日本を撃破」と報じている。
グループEの3位で準々決勝に進んだ日本は前半7分、コーナーキックの二次攻撃から失点。そこから盛り返して、同23分にMF長谷川唯のクロスにFW田中美南が合わせて同点とした。さらに、前半30分に田中がスウェーデンDFアマンダ・イレステトに倒されてPKを獲得したが、VARの進言と映像確認で取り消しになり、1-1のまま前半を終えた。
ただ、後半に入ると徐々に力の差を見せられる展開に。後半8分にDF清水梨紗が裏を取られ、スウェーデンFWスティーナ・ブラックステニウスにニアサイドに強烈なシュートを打ちこまれて勝ち越し点を献上。さらに、後半22分にMF三浦成美がVAR確認の末にハンド判定となり、PKを与えて3点目を許した。
日本は2012年のロンドン五輪(銀メダル)以来のメダル獲得はならず。主要国際大会では19年の女子ワールドカップ(W杯)に続いて、決勝トーナメントでの初戦敗退という結果に終わった。
スウェーデン紙「ヨーテボリ・ポステン」は、「スウェーデンがVARカオスの末に日本を撃破」との見出しでレポート。二つのVAR判定について触れている。
「日本はメキシコ人主審ルシラ・ベネガスがPKを告げる笛を吹き、リードを奪う寸前に至った。しかし、VARレビューの結果、PKは取り消され、スウェーデンはハーフタイムまで生き延びた。そして、VARはスウェーデン側に傾いた。後半23分、PKはスウェーデンが獲得。前半の状況とは異なり、VARレビュー後にPKが宣告された」
グループリーグ初戦で強豪アメリカ、準々決勝では開催国・日本を破るなど、快進撃を続けるスウェーデン。記事では、母国代表のポテンシャルを「信じられないほど熟練したチーム。様々な状況を解決するテクニカルなプレーヤーが多くいる」と高く評価した。
スウェーデンは決勝進出を懸け、8月2日に行われるベスト4でオーストラリアと対戦する。
(FOOTBALL ZONE編集部)