「圧倒的な格の違いを見せた」と絶賛した選手は? フランス戦出場16人を金田喜稔が採点
両SBに“5つ星”評価、中山は「機を見た攻撃参加も機能」
<DF>
■中山雄太(ズウォレ)=★★★★★
五輪を通じて多くの選手が成長した姿を見せているが、それが顕著に見える1人が中山だ。フランス戦でも前方の旗手とともに相手の右サイドをケアする役割を完遂。左サイドバックとして1対1で負けることがなく、球際の激しい守備や高さで相手のキープレーヤーを抑えることができる。そして何よりもセンターバックやボランチを本職としてきたなかで、今大会では機を見た攻撃参加が機能。左利きの左サイドバックとして精度の高いクロスも供給しており、4-0完勝への貢献度は高かった。
■冨安健洋(ボローニャ)=★★★★
負傷から戻り、グループリーグ最終戦でスタメン出場したことが何よりも大きい。試合勘の部分でビルドアップでの判断ミスや技術的ミスはあったものの致命的なものではなく、ベストコンディションではなくても要所を締めて無失点に抑えた。ベスト8以降の戦いに向けて、冨安がそつなくプレーできたことは好材料だ。
■吉田麻也(サンプドリア)=★★★★
相手エースのジニャックに対して球際でも空中戦でも圧倒されることなく、確実にはね返した。久しぶりの出場となった冨安をサポートしながら最終ラインを巧みにコントロールして無失点に貢献。大会を通じてキャプテンとして、チームを精神面で支えている。
■酒井宏樹(浦和レッズ/→後半10分OUT)=★★★★★
五輪前の親善試合から、対峙した相手に対して圧倒的な格の違いを見せ続けてきた男は、この試合でもその姿を見せてくれた。フィジカルの高い相手に対しても怯むことなく、ほぼ完勝。相手にサイドで起点を作らせず、無失点勝利に大きく貢献した。機を見た攻撃参加から奪ったゴールは、そんな酒井に対するご褒美と言えるもの。イエローカードを受けてしまい次戦出場停止になったのは残念だが、本当に素晴らしかった。
<GK>
■谷 晃生(湘南ベルマーレ)=★★★★★
無失点に抑える素晴らしいパフォーマンスだった。相手のシュートに対しても落ち着いて反応し、セービングも安定。DF陣との連係で前に出るところ、出ないところの判断も的確でハイボールの処理も無難だった。ビルドアップ時の足下も落ち着いていて、満点評価を与えていいプレーだった。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。