「圧倒的な格の違いを見せた」と絶賛した選手は? フランス戦出場16人を金田喜稔が採点
フランスに4-0完勝でベスト8進出、久保と上田の「阿吽の呼吸は素晴らしかった」
U-24日本代表は28日、横浜国際総合競技場で行われた東京五輪サッカー男子のグループリーグ第3戦でフランスと対戦し、4-0と完勝した。序盤は一進一退の攻防も前半27分にMF久保建英が先制点を決めると、同34分にはDF酒井宏樹が決めて2-0。さらに後半には途中出場のMF三好康児とFW前田大然にもゴールが生まれ、“強豪国”を圧倒した。3連勝でグループリーグ首位通過を果たしたなか、フランスに完勝した戦いぶりを識者はどのように見たのか。
「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した16選手を5段階(5つ星が最高、1つ星が最低)で採点。明確なプランの下で試合を進め、途中出場の選手も結果を残した戦いを「完璧だった」と称賛した金田氏は、貴重な先制点を決めた久保と相手のサイド攻撃を封じた酒井とDF中山雄太、無失点に抑えたGK谷晃生の4人に“5つ星”を与えた。一方、不発に終わったMF堂安律はチームの「懸念材料になっている」として次戦以降の奮起を促した。
◇ ◇ ◇
<FW>
■上田綺世(鹿島アントラーズ)=★★★★
1戦目、2戦目と林がアピールしているなかで、怪我から少しずつコンディションが戻り先発。結果的にその期待に応えるパフォーマンスを見せてくれた。序盤から前線で起点となりながら周囲との良好な関係性を示すと、前半27分、34分と久保からのパスを受けてシュートを放ち、相手GKが弾いたところからゴールが生まれた。難しい体勢からでも枠を外さない精度、シュート力はやはりこの世代随一。試合をほぼ決定づける前半の2点に絡んだことを考えれば、限りなく“5つ星”に近い活躍だった。
<MF>
■旗手怜央(川崎フロンターレ)=★★★★
後方の中山とともに献身的な動きで相手の右サイドをケア。攻撃面でも積極性を見せ、前半8分のFKからのこぼれ球を右足で狙ったミドルシュートはチームに落ち着きを与えた。後半11分の橋岡からのピンポイントクロスに頭から飛び込んだシーンは決めなくてはいけない場面だったが、気の利いたパスやフリーランニング、組み立てができる選手で、試合中のポジションチェンジにも難なく対応。監督が使いたがるのも納得できるパフォーマンスだった。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。