日本の攻撃を「別次元に引き上げた」 英記者が絶賛、フランス戦“完勝”の火付け役は?

U-24日本代表を率いる森保監督【写真:AP】
U-24日本代表を率いる森保監督【写真:AP】

冴えた森保監督の采配、チームのクオリティーの高さと多様性を改めて強調

 ハーフタイムまでに勝ち点3がほぼ確定したことで、森保監督がキープレーヤーを休ませ、他の選手を出場させることができたのは、この試合で最も良かった部分だろう。

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 特に重要だったのは、準々決勝のニュージーランド戦を累積警告で欠場するDF酒井宏樹の代わりに、右サイドバックを務めるであろうDF橋岡大樹を起用できたことだ。橋岡は、そのスピードと前線に出ていく決断力が印象的で、正確なクロスでMF旗手怜央の決定的なヘディングシュートを演出した。FW前田大然とMF相馬勇紀も4点目の場面で素晴らしいコンビネーションを見せた。森保監督は今から土曜日にカシマスタジアムで行われる試合に向けて、考えることがたくさんあるはずだ。

 相馬をベンチスタートとして旗手を左サイドハーフに起用したのはサプライズだったが、川崎フロンターレの男はソリッドなプレーを見せた。監督が行ったいくつかの変更は、チームのクオリティーの高さと多様性を改めて強調するものだった。

 DF冨安健洋もセンターバックとして復帰した。成長を続けるMF遠藤航とMF田中碧のパートナーシップを崩さず、DF板倉滉を後半途中にボランチで投入し、その後DF中山雄太を中盤に移した森保監督の選択も効果的だった。

 今後の鍵になるのは、7日間で3試合をこなした選手たちがベストコンディションを取り戻し、今大会で韓国を破っているニュージーランド相手にメンタル面で良い準備ができるかどうかだ。オリ・ホワイティ(ニュージーランド五輪代表の愛称)が“アンダードッグ”であることは確かだが、日本もメダル獲得のことを考えて試合に臨む余裕はないはずだ。

 まだやるべき仕事は残っている。大会が進むごとに森保ジャパンは成長を続けている。次の試合もプロとしてのパフォーマンスを発揮すれば、表彰台にまた一歩近づくことができるだろう。

(マイケル・チャーチ/Michael Church)



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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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