日本の攻撃を「別次元に引き上げた」 英記者が絶賛、フランス戦“完勝”の火付け役は?

フランス戦“完勝”の火付け役は?【写真:Getty Images】
フランス戦“完勝”の火付け役は?【写真:Getty Images】

フランス戦を英記者が分析、前半2ゴールに絡んだ久保と上田の絶妙なコンビネーション

 U-24日本代表は28日、東京五輪サッカー男子のグループリーグ最終戦でU-24フランス代表と対戦し、4-0で完勝。無傷の3連勝でグループAを1位通過し、ベスト8進出を決めた。欧州強豪国を圧倒した日本の戦いを、海外の識者はどのように見たのか。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、FW上田綺世の復帰によりMF久保建英とのコンビネーションがファイナルサードでの崩しを「別次元のレベルに引き上げた」と称賛。森保一監督の起用法も含めて、チームのクオリティーの高さと多様性を改めて示したと称えている。

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 MF久保建英は凡庸なフランスを相手に45分間の出場だったが、森保一監督のチームを準々決勝に導く活躍を見せた。またしても名人級のパフォーマンスで、称賛を浴びることになるだろう。

 日本は五輪のメダルに一歩近づいた。またもゴールを決めた久保が絶賛されるのは当然のことだが、センターフォワードのポジションにFW上田綺世が戻ってきたことが、日本の圧勝のきっかけとも言えるかもしれない。怪我で離脱していた鹿島アントラーズの男は、最初の2試合でベンチスタートとなった。その間はFW林大地が頑張りを見せていたが、センターフォワードとして上田と同じレベルでの役割を果たすことはできていなかった。

 久保は先制ゴールを決め、DF酒井宏樹が2点目を決めた時もビルドアップに貢献していた。だが、上田も両方のゴールに関与しており、2人の相互理解は日本のファイナルサードでの質を別次元のレベルに引き上げた。

 この試合はこれまでの五輪3試合のなかでも、最高のパフォーマンスだったと言いたいところだが、フランスがあまりにも不出来だったため、森保ジャパンのプレーを正しくジャッジするのは難しい。ナーバスで、攻撃の糸口をつかめなかった南アフリカ戦からは改善が見られたが、深い位置で人数をかけて守り、カウンターを狙うフィジカルの強いチームを相手にどう戦えばいいのか戸惑っているようにも見えた。

 メキシコ戦のパフォーマンスは素晴らしかった。特に立ち上がりの15分で試合の流れをつかんだことは評価できる。しかし、終盤に集中力を欠いたことで、日本はあわや勝ち点「2」を失うところだった。

 フランス戦ではそのような躓きも、曖昧さもなかった。日本は要求された仕事を果たし、試合を無事にシャットダウンした。試合開始のホイッスルから終了のホイッスルまで、森保監督のチームがほとんど主導権を握っていた。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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