「シメオネは素晴らしい」 稀代の戦術家が”欧州2位”も機能美を見せたアトレチコを大絶賛
イタリアの名将サッキが称える 「アトレチコは勝利に値する試合をした」
「ゾーンプレス」の生みの親と言われ、ACミランやイタリア代表を率いた名将アリゴ・サッキ氏が、28日にイタリアのサンシーロで開催されたUEFAチャンピオンズリーグ決勝(CL)を観戦。「シメオネは素晴らしい」と語り、惜しくも準優勝に終わったアトレチコ・マドリードのディエゴ・シメオネ監督が率いたアトレチコを絶賛している。イタリアでの中継局となった衛星放送「メディアセット・プレミアムスポーツ」で語ったもの。
「最初の25分くらいは、レアルの方が良い試合をしているなと思っていたんだ」
サッキ氏は、試合の立ち上がりはレアルの方が内容の良いゲームをしていたと振り返った。互いに激しいプレスを掛け合う展開ながら、より攻撃にミスなくボールを展開できたのはレアル。前半15分にはセットプレーから先制点も奪った。しかし、この先制点を取った後の時間からサッキ氏は違うことを思うようになったという。
「その後の時間帯は、アトレチコが素晴らしかった。シメオネは非常に素晴らしい監督だと感じる。このチームに勝ってほしいと思わせられたし、なによりも予算規模で言えば3倍以上も違うチームの戦いだが、アトレチコは勝利に値する試合をした。私は、アトレチコを称賛したい」
この3シーズンで2度CL決勝に導いたシメオネ監督の手腕を称えつつ、両チームの間にある予算規模の違いにも言及していた。シメオネ監督のアトレチコは、組織的な守備とハードワークをベースにヨーロッパでも有数の戦う集団として名を馳せている。世界のサッカーに組織革命を起こしたとされるサッキ氏にとっては、これ以上なく好ましい存在に映ったのかもしれない。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images