「金メダルも現実味を帯びてきた」 元日本代表DFがフランス撃破に感じた“総合力”
栗原氏は3戦連続弾の久保、そのゴールを引き出した上田の積極性を評価
U-24日本代表は、東京五輪男子サッカーのグループリーグ第3戦でフランスと対戦し、MF久保建英の3戦連続ゴールなどで4-0と快勝した。全16チームで唯一の3連勝で決勝トーナメント行きを果たし、元日本代表DF栗原勇蔵氏も、「優勝の現実味を帯びてきた」とその充実ぶりを評価している。
森保一監督は負傷で開幕2戦を欠場したDF冨安健洋をスタメン起用。左サイドハーフにはDF旗手怜央を配置し、1トップにはFW上田綺世が入った。
立ち上がりから一進一退の試合は、どちらのチームもなかなかゴール前の場面を作れずに進んだ。しかし、迎えた前半27分、ペナルティーエリア内の右サイドから上田が思い切って右足を振り抜くと、相手GKが弾いたボールにMF久保が反応。シュートは相手に当たりながらゴールに吸い込こまれた。
久保の3試合連続弾で先制した日本はさらに前半34分、久保のラストパスから上田がGKとの1対1のビッグチャンスでシュートをセーブされたが、そのこぼれ球を長年フランス1部マルセイユでプレーしたオーバーエイジのDF酒井宏樹が押し込んで追加点を挙げた。
後半25分には途中出場のMF三好康児が3点目、終了間際にはFW前田大然がダメ押しゴールを決めて4-0で勝利した。栗原氏は先制点の場面、日本人史上初の五輪グループリーグ3戦連続弾をマークした久保を称賛するとともに、直前にシュートを放った上田も高く評価する。
「久保はあのポジションに入ってくる実力はもちろん、相手に少し当たりながらもネットを揺らす運をここに持ってこれるのが凄い。そういう星の下に生まれたものは、これまでの日本サッカーの歴史でもトップクラスだと思います。そして、上田はもともとスタメン候補だったなかで、怪我もあって出番が限られてきました。今日も100%じゃなかったかもしれないけど、体のバネを感じたし、やっぱり力強さがありますね。一瞬のスピードと、体を捻って逆サイドに打つ筋力は、日本人離れしている。林(大地)も良いプレーをしていたけど、2人ともタイプが違うので、次(準々決勝)はどちらを使うのか、難しい選択になるかもしれません」