レアル就任半年で名将の仲間入り! 史上7人目の偉業を達成したジダンが放つ”勝者の美学”
負ければ電撃解任の危機を脱出
そして死闘を振り返ったジダン監督は、フロレンティーノ・ペレス会長に感謝の言葉を捧げた。
「我々はこの決戦を勝つためにハードワークしました。これは我々にとって大いなる意味を持ちます。会長が私にこの機会を与えてくれた時、私はこの勝利を夢見ていました。多くの偉大なプレーヤーを持ったことが、私にチャンピオンズリーグ優勝をもたらしてくれました」
決勝戦前、レアルの周囲には不穏な報道が出回っていた。イタリア衛星放送「スカイ・イタリア」はレアルが今季のCL制覇に失敗した場合、ペレス会長がジダン監督を電撃解任し、セビージャの知将ウナイ・エメリ監督を招聘するとレポートしていた。独断専行のペレス会長は昨季、選手、サポーターの反対を押し切り、名将カルロ・アンチェロッティ氏を解任。ベニテス氏を強引に招聘し、墓穴を掘ったばかりだった。決勝で敗れ、無冠に終われば”白い巨人”の象徴たるジダン監督ですら餌食になりかねず、レアルで監督業を続けるにはタイトルをつかむしかなかった。
「今日の勝利は私にとってスペシャルなことです。プレーヤーとして、アシスタントコーチとして、そして監督としてチャンピオンズリーグを制覇できて幸せです」
無冠危機だったレアルにウンデシマ(11度目の欧州王座)をもたらしたジダン監督は、勝利の星の下に生まれたようだ。数々の名将が短期間で更迭されたレアルで、わずか半年で手にした欧州王者の称号。この栄冠が、長期政権を築く足がかりになるかもしれない。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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