「審判が不利益を与えた」 チリ女子主将、日本戦“疑惑の判定”に怒り「正義とは誰のため?」
ゴールラインを割ったようにも見えた一撃が物議、主将GKエンドレルも不満露わ
なでしこジャパン(日本女子代表)は27日、東京五輪グループリーグ第3戦でチリ代表と宮城スタジアムで対戦し、FW田中美南の決勝ゴールで1-0と勝利した。1点を争う激闘の末にグループEで3位となり、準々決勝への切符を手にしたが、対戦国メディアは後半25分にゴールラインを割ったようにも見えたシュートがノーゴールと判定されたジャッジに“疑惑”の目を向けており、GKクリスティアネ・エンドレルも試合後、自身の公式インスタグラムを更新。「正義とは全員のため、それとも何人かのため?」「VARはどこにいったの?」と怒りのメッセージを綴っている。
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問題となったのは、0-0のまま迎えた後半25分のシーンだ。日本のゴール前へ攻め込んだチリは、MFヤナラ・アエドからのクロスに反応したMFフランシスカ・ララがヘディングシュート。ボールはクロスバーを直撃し、そのままゴールライン上に落下した。そしてバウンドしたボールをGK山下杏也加が掻き出したが、空中でボールがゴールラインを越えたか否かを判断するのが難しいほど微妙なものだった。
ワールドカップや欧州選手権などで採用されているゴールラインテクノロジーは五輪では未導入で、このシーンではビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックでもゴールとならず、試合はそのまま続行。その後、日本が途中出場の田中の決勝ゴールで勝利したため、チリメディア「redgol」は「主審とVARによって地元へ有利に判定された。ホンジュラスのメリッサ・ボルハス主審は、音声でVARを確認しただけで、チリのゴールを退けた。しかし、この論争と疑念は長く続くだろう」と納得がいかない様子だった。
それは選手も同様のようで、現地紙「AS」チリ版によれば、キャプテンのGKエンドレルは試合後の記者会見で、「何人かのチームメートが近くで見た。私は映像を見たが、はっきりとゴールのように見えた。残念ながらそうならなかった。こういったものは試合を決める。審判は我々に不利益を与えた」と語っていた。
さらにエンドレルはその後、自身の公式インスタグラムを更新。「サッカーに正義をもたらすためにテクノロジーを盛り込むという話を我々に言っているけど、正義とは全員のため、それとも何人かのため?」とFIFA(国際サッカー連盟)と東京五輪の大会組織委員会に怒りを滲ませるメッセージを記すと、「VARはどこにいったの?」と判定への不満を露わにした。
五輪初出場のチリは、この日勝利すればベスト8進出の可能性があっただけに、チームを牽引するエンドレルとしては、“疑惑の判定”で夢が断たれたことに納得がいっていないようだ。