久保建英の“才能”をトルシエ元代表監督が絶賛 「世界中がクオリティーに気づいている」
日本サッカー史に残る名手を指導してきたトルシエ氏が語る久保の凄さ
東京五輪サッカー男子で53年ぶりのメダル獲得を目指すU-24日本代表は、その顔ぶれから“史上最強”とも称されている。自国開催の本大会に向けてDF吉田麻也、DF酒井宏樹、MF遠藤航というA代表主力メンバーの3人をオーバーエイジとして招集。さらに24歳以下の選手も大半が欧州クラブに所属し、すでにA代表でのプレー経験がある。そんな豪華な陣容のなかでも特に注目を集めているのが、レアル・マドリードに在籍する20歳MF久保建英だ。
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1998年から2002年まで日本代表を率い、A代表とU-23代表の兼任監督を務めたフィリップ・トルシエ氏は、MF中田英寿やMF中村俊輔、MF小野伸二、MF稲本潤一など日本サッカー史に名を残す名プレーヤーたちを指導してきた。そんなフランス人元指揮官の目に、久保の才能はどのように映っているのだろうか。(取材=マイケル・チャーチ)
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日本代表監督時代のトルシエ氏は、1人の選手がスターのように扱われることを嫌い、日本のメディアの報道に対しても否定的だった。トルシエ氏も「私が監督だった当時からは、状況もメディアがスター選手をどう扱うかも変わった。私の時は、まだ新しいプロセスにあった。プロクラブが誕生したばかりで、積み上げ始めたばかりだったし、周りにいたメディアは選手たちのストーリーを作り上げて、スターを創造しようとしていた。だからこそ、私の時代はスターシステムが重要だったんだ。その結果、ほとんどの選手たちは日本国内ではスターだったが、ヨーロッパでは違った」と、ローカルスターが誕生することを危惧していたと振り返る。
しかし、当時と現在では日本サッカーの状況が異なるうえに、久保はトルシエ氏が指導してきた選手たちと比較しても、才能の大きさが違うと感じているという。
「久保はもちろん、日本のスター選手だが、彼はスペインでキャリアをスタートさせた。彼は日本生まれの大きなポテンシャルを持った選手だが、スペインでもスターであり、世界中で知られている。彼はまだ小さなスターだ。それでも、スターであることに変わらない。世界中の人々が、彼のクオリティーと才能に気づいている。彼らは今や日本にいる多くのタレントも知っている。私の時代は、選手たちは国内でしか知られていなかった。そして、久保は将来、このグループに特別なものをもたらしてくれるだろう」と、知名度と能力の両方で久保が突出した存在であることを強調した。