赤字まみれミランのCEOは白熱するイブラ争奪戦前に悲しみのギブアップ 「年俸の問題だ」

イブラ夫人はミラノライフ希望の報道も

 パリ・サンジェルマンに所属している現時点で1800万ユーロ(約23億5000万円)ともいわれる超高額年俸は、今季リーグ38得点の大暴れの挙句、移籍金ゼロで獲得可能になった現在ではさらに高騰することが予想される。マンチェスター・ユナイテッドは現在の倍増になるオファーを用意しているとも言われる中、単年で100億円規模の赤字が確実なミランには完全に高嶺の花だ。今季開幕前にもイブラ凱旋のカードをチラつかせて、サポーターの怒りをコントロールしていたガリアーニ氏だが、お手上げ状態だとあっさりと認めてしまった。

 ミランの希望は、イブラヒモビッチ夫人がミラノでの生活を望んでいることと、中国のインターネット大手アリババなど中国企業グループに日本円にして1000億円近い金額での株式70パーセント売却交渉が進んでいることだ。しかし、交渉の決着にはもう少し時間が掛かる見通しだ。

 ライオラ氏はイブラヒモビッチへの複数オファーの存在を認め、ユナイテッドへの移籍が有力視される中でもサプライズを予告している。3年連続で欧州のカップ戦出場権を逃した凋落の古豪を救う最高のカンフル剤となるはずだが、火の車のミランはそのイブラヒモビッチ狂想曲に参加する前から白旗を掲げている。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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