「日本サッカーの概念を変える」と絶賛した選手は? メキシコ戦出場14人を金田喜稔が採点
酒井は「ほぼすべての1対1に勝利」…1点目を導く縦パスも素晴らしかった
<DF>
■中山雄太(ズウォレ)=★★★★
2試合連続でスタメン起用されたなかで、期待されている守備力を発揮した。自らに求められる最終ラインでの役割を遂行しながら、機を見た攻撃参加も披露。南アフリカ戦の三好とは異なり、サイドに張る相馬とのコンビネーションも悪くなく、攻守にわたって良いリズムでプレーできている印象だ。
■板倉 滉(フローニンゲン)=★★★★
冨安の欠場によって2試合連続でセンターバックとして先発。相手に振り切られそうなシーンもあったものの、全体的には安定したパフォーマンスを披露している。吉田との連係も問題なく、終盤はセットプレーを含めて相手に押し込まれる時間が増えたが耐え続けた。
■吉田麻也(サンプドリア)=★★★★
相手のロングボールに対する高さでの対応、裏を狙ってくる攻撃に対して的確にラインをコントロールするなど、ディフェンスリーダーとしてチームを力強く支えている。ビルドアップも含めて、豊富な国際経験を誇る吉田の存在感は大きい。だからこそ、痺れるような状況になる可能性がある最終戦のフランス戦に向けて、これまでの2試合で出た終盤の試合運びやセットプレーの守備に関する課題にも、彼の経験を伝えて解消を図ってもらいたい。
■酒井宏樹(浦和レッズ)=★★★★★
中2日での第2戦、強豪メキシコが相手という状況でも、ほぼすべての局面での1対1に勝利。右サイドの守備に安定をもたらす、オーバーエイジのプライドを感じるような素晴らしいパフォーマンスだった。そして何よりも素晴らしかったのは、前半6分の1点目を導く堂安への極上の縦パス。受け手の堂安がスピードを落とさず、しっかりと前に運んでクロスを上げられるパスの質だった。
<GK>
■谷 晃生(湘南ベルマーレ)=★★★★
前半から相手のシュートを落ち着いて処理。後半40分の失点シーンでは、FKからニアサイドに飛んだボールを防げずに失点してしまったが、これは谷だけの問題ではなく、チームとしてセットプレーの守備に課題を残した。1点差に迫られた後の後半アディショナルタイムには、あわや同点というDFブラディミル・ロローニャのヘディングシュートをビッグセーブ。日本を救うプレーだった。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。