「正気を失った」 謝罪会見にまで発展、韓国放送局の“嘲笑字幕”に母国ファンも驚嘆
相手のOGに「ありがとう」の不適切な字幕…「MBC」の社長は謝罪会見を実施
U-24韓国代表は25日に行われた東京五輪のグループリーグ第2戦ルーマニア戦を4-0で制したが、勝利以上に、相手選手のオウンゴールに関して、韓国放送局が出した不適切な字幕が波紋を呼んでいる。放送局の社長が謝罪会見を開くにまで発展した事態に、母国メディアも「正気を失った」と伝えている。
初戦でニュージーランドに0-1と敗れた韓国は、MFイ・ガンインをベンチスタートにし、“10番”のMFイ・ドンギョンを先発起用するなど、スタメンをテコ入れ。序盤から球際で激しいデュエルを展開するなか、0-0で迎えた前半27分、FWイ・ドンジュンが右サイドからゴール前へクロスを上げると、スライディングでクリアを試みたルーマニアMFマリウス・マリンのボールが無情にも自軍のネットに突き刺さり、オウンゴールとなった。
その後、前半45分にルーマニアMFイオン・ゲオルゲが2枚目のイエローカードで退場となり、数的優位に立った韓国。ボール支配率は52%対48%だったが、シュート数では13対6と倍以上の差をつけ、後半に途中出場のイ・ガンインがPKを含む2ゴールを挙げるなど、4-0で今大会初勝利を飾った。
一方で、ピッチ外で波紋を呼んでいるのが、東京五輪を中継している韓国放送局「MBC」の対応だ。韓国対ルーマニア戦の前半終了後、広告映像の画面右上で1-0のスコアを伝えるテロップを掲出した際、「ありがとう、マリン」という文字まで出す軽率な行動を犯してしまったのだ。
「MBC」は23日の五輪開会式の中継で、ウクライナ選手団の入場行進の際に1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の写真を示してウクライナを紹介。インターネット上などで批判が相次ぎ、「不適切な写真を使用した」と謝罪していた。
韓国ケーブルテレビ「韓国経済TV」によれば、ルーマニア戦のサッカー中継は地上波3社の合計視聴率33%を記録。MBCはトップの13.9%(KBS第2テレビジョンが10.8%、SBSが8.3%)だったが、このような事態により、「正気を失ったMBCの“嘲笑字幕”が議論」と報じられている。また、韓国紙「ハンギョレ」はファンが「どこまでが事故?」「目を疑った」と驚嘆しているコメントを紹介した。
「MBC」のパク・ソンジェ社長は26日に記者会見を開き、「世界的に新型コロナウイルスが猛威をふるう状況で、地球人の友情や連帯、和合というオリンピック精神を毀損する放送を行った。心に傷を負った該当国家の国民と失望された視聴者のみなさんに最高責任者として深く謝罪する」と頭を下げた。今後は再発防止対策を強化し、「視聴者たちの信頼を回復させる」と誓っている。
(FOOTBALL ZONE編集部)