日本の「電撃的な攻撃」称賛も…英記者が“緩み”に警鐘 「安心している場合ではない」
メキシコを2-1と破り東京五輪2連勝、久保が決めた先制点のシーンは印象的
U-24日本代表は25日、埼玉スタジアムで行われた東京五輪のグループリーグ第2節でメキシコと対戦し、2-1で勝利した。難敵相手に序盤の2ゴールで試合を優位に進めた日本は、終盤に1点を失ったものの、理想的な試合運びで2連勝スタート。グループリーグ突破に大きく近づいた戦いぶりを、海外の識者はどのように見たのか。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、南アフリカ戦とは異なり序盤に猛攻を仕掛けて2ゴールを奪った点を高く評価。一方で、相手に退場者が出て数的優位を得ながら失速した終盤の戦いに懸念を示した。
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吉田麻也は南アフリカとの開幕戦で苦しんだ日本のどこに問題があったのかを明らかにしていた。メキシコ相手に見事な勝利を飾った森保一監督のチームは、そのキャプテンの言葉を重く受け止めていたのだろう。
日本は同じミスを繰り返し、スロースタートとなっていればメキシコ戦はノーチャンスだったはずだ。しかし、最初の12分間で2点のリードを奪い、実質的にハーフタイムの時点で試合を決めてしまうことになると予想した人はほとんどいなかったはずだ。
メキシコは久保建英、堂安律、相馬勇紀の電撃的な攻撃にかき乱され、揺さぶられて平静さを失っていた。序盤の激しい攻防の後、ハイメ・ロサーノ監督のチームは後戻りすることができなくなった。
開幕戦では思うようにいかなかった堂安と酒井宏樹の“テレパシー”は、前半6分で回復した。今夏浦和レッズに加入したサイドバックからの絶妙なパスで、堂安はメキシコの最終ラインの背後へ抜け出した。
しかし、本当に印象的だったのは、ペナルティースポットに向かって送られたマイナスのクロスから素早い足の振りで放った久保の一撃だった。レアル・マドリード所属の久保は鋭いフィニッシュと、ゴール前でのスペースを見つける確かな自信を見せつけた。
今大会で久保が見せているように、より低い位置にいる選手があれだけ正確なフィニッシュを決められるならば、純粋なストライカーは必要なのだろうか。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。