精度、得点力、速さ、パワーが足りない… 手倉森監督は完敗のトゥーロンで感じたあまりに多い改善点
1勝3敗で年下チームに敗れる「3敗した部分をリオに生かす」
U-23日本代表を率いる手倉森誠監督はリオ五輪の前哨戦となるトゥーロン国際大会の4試合を通して選手にプレー精度、得点力、スピード、パワーというあらゆる面での課題を選手に突きつけた。
予選リーグ敗退の決まっていた日本は27日、トゥーロン国際大会の最終戦ですでに予選リーグ突破を決めていたイングランドと対戦。23歳以下の選手で構成された日本に対して、イングランドは21歳以下の選手中心の選手構成で臨んだ。前半15分にPKで失点し、そのまま0-1で敗れた。
「ゲーム前からアクシデントあって、CBいない状況の中で少し相手にやらせながら前半と思っていた。その中でPKを取られたのが非常に悔やまれる。ただ、最後チャンスあったところ決められなかったからこそ引き分けにもできなかった。イングランドはPKでしたけれども、この大会で決定力があって全勝できているというところ見れば、(日本も)上げなければいけない精度はたくさんあるなと思います」
イングランドはアーセナルDFカラム・チェンバースなどビッグクラブでプレーする選手を擁していたとはいえ、2歳下の世代に敗れる屈辱を味わった。ディフェンスリーダーのDF植田直通(鹿島)も、試合後に「こんなんじゃオリンピックでは戦えない」と語るなど、選手の間にも無力感が漂っている。
指揮官も「ディティールのところ。一人ひとりの精度、得点力、チーム内でのスピードとパワー。素早いプレーというのをもっともっとやらなければいけない」と全てにおいて指摘している。
それでも下を向いてばかりはいられない。「いい距離感で素早いパスワークすれば、なんとなく本大会でも戦い抜けそうだなっていう気配は感じ取れた。そこを高めていければなと思います」と前向きな発言も残している。今大会の内容を教訓として成長しなければいけないと気持ちを切り替えた。
「今回、3敗して学んだ部分をリオで勝ち続けられることにつなげられればなと思います」
リオ五輪開幕までは残り2ヶ月あまり。大きな課題に直面した手倉森ジャパンは惨敗のトゥーロンを成功の糧にできるだろうか。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images