終盤に左SBを交代、逃げ切りの戦略として「機能したようには見えなかった」

＜途中出場＞
■相馬勇紀（名古屋グランパス／MF／←後半15分IN）＝★★★

　1点が欲しい状況のなかで左サイドハーフに投入された。スペースを作る動きや、仕掛ける場所ではしっかりと勝負にいくなど、求められることはやっていた印象。守備面も含めて任務は遂行した。

■旗手怜央（川崎フロンターレ／DF／←後半27分IN）＝評価なし

　待望の先制点を奪った直後に中山との交代で左サイドバック（SB）に投入。攻撃面に特長のある旗手だけに追加点を取りにいくのか、それとも守るのか。チームとしての戦い方がはっきりとしないなかで、あまり効果的な仕事ができず、相手にサイドを使われるシーンもあった。

■上田綺世（鹿島アントラーズ／FW／←後半27分IN）＝評価なし

　日本が先制した後の時間帯は南アフリカが攻勢に出たこともあり、最前線に投入された上田に見せ場は訪れなかった。負傷明けでコンディションがどこまで戻っているかは気になるが、次戦以降に期待したい。

■町田浩樹（鹿島アントラーズ／DF／←後半40分IN）＝評価なし

　あの時間帯での左SB起用には驚いた。もちろん、練習でも試しているのだろうし、高さや守備力は期待できる選手だが、1点をリードしている終盤にSBに求められる役割は、相手の攻撃をただはね返すのではなく、同時に高い位置を取りながらボールキープにも参加するということ。持ち方が良くなければ、必死に1点を取りにくる相手に狙われてしまう。町田自身は全力でプレーしたが、1-0とリードしている状況での森保監督の最後の戦略として、効果的だったとは思えなかった。

［PROFILE］
金田喜稔（かねだ・のぶとし）

1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車（現・横浜FM）の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。