「マナーでも敗れた」 韓国MF、ニュージーランド戦後の“握手拒否”を母国非難
MFイ・ドンギョン、東京五輪グループ初戦後に選手から差し出された握手を拒否
東京五輪サッカー男子のグループリーグ初戦が22日に各地で行われ、B組の韓国はニュージーランドに0-1で敗れた。シュート数、ボール保持率で圧倒しながら黒星発進となったなか、母国メディアは試合後、両選手が健闘を称え合う中で韓国MFイ・ドンギョンがニュージーランドの選手から差し出された握手を拒否したシーンを引き合いに「サッカーで負け、マナーでも敗れた」と非難している。
キム・ハクボク監督率いるグループBの韓国(FIFAランキング39位)は、初戦でニュージーランドと対戦。FIFAランキング122位の相手に対し、オーバーエイジ枠のFWファン・ウィジョ(ボルドー)、MFイ・ガンイン(バレンシア)らを揃え、立ち上がりからボールを保持し相手ゴールに迫ったものの、スコアレスのまま前半を終える。
後半も優位に試合を進めていたが同31分、ニュージーランドにワンチャンスをものにされる。自陣ゴール前でミドルシュートを撃たれ、そのボールが韓国のDFチョン・テウクに当たったこぼれ球を拾ったFWクリス・ウッド(バーンリー)が右足でフィニッシュ。最初はオフサイドと判定されたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)によりゴールと認められ、これが決勝ゴールとなった。
シュート数12対2、ボール保持率でも63%対37%と圧倒しながらもまさかの黒星発進となった韓国。この結果に、母国メディアでは落胆の報道が相次いだなか、「朝鮮日報」紙は試合後、両選手が健闘を称え合う中で韓国MFイ・ドンギョンがニュージーランドの選手から差し出された握手を拒否したシーンを非難している。
同メディアは「ニュージーランド選手の握手要求を無視……。サッカーで負け、マナーでも敗れた」と見出しを打ち、「スコア以上に残念なシーンが試合後に出てきた。ニュージーランドのウッドは試合後、イ・ドンギョンに握手を求めた。しかし、イ・ドンギョンは握手を無視した。ウッドは悪戯っぽく笑った。もちろん、満足のいかない結果に不満を抱き、握手をする余裕がなかったのかもしれない。しかし、世界中のアスリートが結束と友情を築くオリンピックの舞台で見せる振る舞いではなかった。いろいろな意味で打ちのめされた一日だった」と、問題のシーンを指摘している。
世界中が注目し、平和の祭典とも言われている五輪。その大舞台で、不評の種を作るような行為を見せた母国選手の振る舞いを、メディア側は見過ごさなかった。