「どれだけ潰せるか」 東京五輪“メダル獲得”へ、日本の「キーマン3人」を闘莉王が選出
絶対的な存在・吉田の“役割”とは…「判断は麻也に求められる」
「前に行くか行かないか、守る時も堅くするかしないか、ラインを上げるか上げないか、そこの判断は麻也に求められるし、僕らも期待している。でも、麻也が目立つんじゃなくて周囲をどれだけ動かせるか。おいしいところで顔を出せばいい。カウンターを食らわないような指示を出せるか。ここぞという時間に後ろからどれだけ押し出せるか。麻也がボコボコ跳ね返したり、1対1でもの凄いボールを取るとか、そういうのは期待していないですよ。そうならないように(事前に)仕切るのが大事だと思う」
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グループリーグを突破するために必要なのは、初戦の南アフリカ戦で勝利すること。国際経験の浅い若い世代にとって、自国開催で重圧のかかる初戦の入りは難しいが、立ち上がりからいかに押し込めるかがメダル獲得へのポイントとなる。そのために、吉田は何をすべきか。
「麻也が仕切っているディフェンスラインが高い位置にいないと、(相手を)バタバタさせられない。正直、ちょっとGKは気になっているんですよ。裏のカバーリングをどれだけするかという役割も果たしてほしい。特に初戦は(相手に)楽にプレーさせちゃいけない。どんどんラインを上げて相手のコートでサッカーをすることが大事。ゴールから近いとショートカウンターができる。南アフリカはそういうことをされたら嫌だなと思っていると思いますね」
吉田が最終ラインをコントロールし、南アフリカへプレッシャーを与えることが重要。豊富な経験値を生かして守備を統制する必要性を語る一方で、闘莉王氏はMF久保建英やMF堂安律が牽引する攻撃陣の“見どころ”も明かした。
「堂安と久保は出るでしょうし、唯一左サイドの選手をどういう風にするか悩んでいると思うんですよね。あとはFWの3人(上田綺世、前田大然、林大地)で誰が一番調子が良いか。左に誰を使うか、ちょっと楽しみにしている。左ウイングを誰にするかでパターンも変わってくる。初戦は僕だったら相馬(勇紀)でいくと思いますね。三笘(薫)はコンディションを見ていないんでね。森保さんも堅くいくと思うんですよ。(森保監督が)相馬のほうが守備をできると思っているんですよ。相馬のほうが堅いんじゃないかと思いますね」
森保ジャパンが勝利への道を辿るのに必要なのは、やはり「守備」。タレント性を生かした攻撃を形成するためにも、吉田を中心とした日本の“武器”に注目だ。
[プロフィール]
田中マルクス闘莉王/1981年4月24日、ブラジル出身。渋谷幕張高を卒業後、2001年に広島でJリーグデビュー。03年に日本国籍を取得し、04年アテネ五輪に出場した。その後は浦和でJ1とACL初制覇、名古屋でもJ1初優勝に貢献。06年にはJリーグMVPを受賞した。日本代表としても43試合8得点の成績を残し、10年南アフリカW杯ベスト16進出の立役者に。19年限りで現役引退。Jリーグ通算529試合104得点で、DF登録選手の100得点はリーグ史上初。現在は公式YouTubeチャンネル「闘莉王TV」でも活動中。
(FOOTBALL ZONE編集部)