「痛み、涙、PKストップ…」 カナダ女子GK、失点阻止&無念の交代のドラマに海外感動
ベテランGKラベ、田中との交錯で負傷しながら直後のPKを意地のストップ
カナダ女子代表(FIFAランク8位)は21日、東京五輪のグループリーグ初戦で開催国の日本(同10位)と対戦。試合終盤に同点に追いつかれたなか、海外メディアは負傷しながらも渾身のPKストップを見せ、その後涙ながらにピッチをあとにした守護神ステファニー・ラベに注目している。
カナダは前半6分、カナダの選手としては史上初、世界でも4人目となる国際Aマッチ300試合出場となったFWクリスティン・シンクレアのゴールで先制。1点のリードを保って後半に突入した。
後半立ち上がり、右サイドからクロスに飛び込んだ日本のFW田中美南とGKラベが交錯。一度は田中のファウルと判定されたが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の進言で映像確認されて日本のPKに判定が代わった。
接触で左胸付近を痛めたラベは、ピッチに倒れたまましばらく動けず。治療後に立ち上がった際には、目に涙を浮かべるシーンもあった。痛みに堪え、その後に田中のPKを完璧にストップするスーパープレーを見せ、咆哮する姿を中心に同僚たちの歓喜の輪が広がったが、後半13分にケーレン・シェリダンとの交代で涙ながらにピッチをあとにした。
パラグアイ紙「ABC」は、「ステファニー・ラベが主人公になった。接触による痛みで数分後に交代しなければならなかったが、負けずに持ちこたえ、PKをストップした」と称賛。ドイツ誌「シュピーゲル」も「カナダのGKのドラマ」と見出しを打ち、「痛み、涙、PKストップ――。カナダのGKステファニー・ラベは日本戦で注目を集めた。カナダはGKステファニー・ラベがPKを与え、そのプレー中に負傷。数分間治療を受けなければならなかったが、涙ながらにゴールマウスに戻った。数分後、痛みのあまり、34歳はピッチを去らなければならなかった」と伝えている。
過去にワールドカップ2回、五輪1回を経験している34歳のラベ。チームは後半39分に日本のFW岩渕真奈のゴールを被弾してドロー発進となったが、ラベのプレーがチームの士気を高めたのは間違いないだろう。