「個人的にはいただけない」 闘莉王が指摘、“森保采配”に見えた「2つの懸念材料」

闘莉王氏が起用を推奨する日本代表MF田中碧【写真:Getty Images】
闘莉王氏が起用を推奨する日本代表MF田中碧【写真:Getty Images】

【五輪経験者の視点】スペイン戦の戦いを分析、気になったスタメンのチョイス

 U-24日本代表は17日、ノエビアスタジアム神戸でU-24スペイン代表との国際親善試合に臨み、1-1で引き分けた。東京五輪のグループリーグ初戦を5日後に控えたタイミングで行われた“金メダル候補”との一戦を、Football ZONE webで五輪期間中のスペシャルアナリストを務めることになった元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏が分析。強豪相手に互角の戦いを見せた日本を評価する一方、森保一監督の戦術に関する「2つの懸念材料」を指摘している。

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 スペイン戦のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)は堂安律で文句なしでしょう。今、チームで最も自信に溢れてプレーしていて、しっかりと結果を出している。あのゴールは簡単なシュートではないし、堂安の自信がチームに好影響を与えている。強気な関西人キャラクターも悪くない。短期間のトーナメント向きかな、と思っている。

 その一方で、気になるのは監督の戦略。スペイン戦の先発メンバーのチョイスで垣間見ることができたのは、強敵相手には守備的な強度の高いダブルボランチにして、ディフェンス面の意識を高めるということ。今回は遠藤航と板倉滉がコンビを組み先発した。

 それに対して、実力的に日本が勝ち点3を手にしなければいけない相手、リードしなければいけない展開なら、田中碧を起用する。スペイン戦の結果で森保監督の考えがもし固まったとしたら、個人的にはいただけない。

 田中は万全の状態であるなら、どんな相手でも先発すべき。彼がフィールドにいるのといないのとでは、チームのリズムが全く違うものになる。実際にスペイン戦でも彼が入った後半は、チーム全体もそうだが、コンビを組む遠藤のパフォーマンスも変わる。田中の投入に伴い、ボールが落ち着いた。

 スペインのような強い相手との試合でこそ、先発する田中を見たい。日本が崩された場面では中央の連係が不足していて、そこからバイタルエリアを突かれるシーンもあった。

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