辛口イタリアメディアが称賛 薫り高き雲へと向かうミラン本田に備わる「美徳と勇気」
空白を埋めた男たち
ACミランのMF本田圭佑は23日、敵地エンポリ戦で今季3点目を挙げた。辛辣な地元メディアからは、そのプレーぶりを「美徳と、勇気」とたたえられた。イタリア地元紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」は「ミラン、エンポリに止められた。トーレス、本田が空白を埋めた」と見出しで2-2ドローに終わった一戦を報じている。
ミランは前半、守備の乱れを突かれ、セットプレーから2失点を喫した。そのため、守備陣は「2度のハンディキャップという代償を払った」と批判されている。リーグ戦4試合で計8失点と、伝統的な堅守を誇る名門としてはらしくない数字だ。フィリッポ・インザーギ監督も「本当のビッグクラブはこんな失点はしない」と自らを戒める。それを「ミランは会長と、監督の言うことを選手たちが聞かない時がある、守備はしわだらけ、中盤は真っ暗」と、カルチョの国らしい表現でバッサリと切り捨てている。だが、輝きを放った攻撃陣は別だ。
「しかしながら、本田とメネズの美徳と勇気と、折衷主義のボナべントゥーラの働きで、薫り高き雲にミランが乗ることもある。ゴールを決めるプロフェッショナル、フェルナンド・トーレスも加わった。エンジンのかかりは遅かったが、真のセンターフォワードの仕事をこなせる」
本田は4試合3得点と攻撃陣をリードする活躍を見せている。万能アタッカーのメネズは、フィニッシュのみならず、強烈な局面打開能力を誇る。指揮官は、彼らの豊富な運動量と、果敢な仕掛けが「美徳と勇気」をチームに与えていると称賛する。さらに、移籍後初先発となった一戦で、初得点を決めたトーレスを絶賛。今季アタランタから加入したMFジャコモ・ボナベントゥーラの攻守における奮闘にも高い評価を与えた。
本田はゴール以外の献身性も、辛口のイタリアメディアに評価され始めた。「美徳と勇気」を備えた男は、昨季の不振を拭い去るような活躍を続けるだろう。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web