東京五輪のメダル獲得は「信じるに値する」 英記者、日本の躍動に感銘「完璧に近い」

MFマルティン・スビメンディとマッチアップするMF久保建英【写真:Getty Images】
MFマルティン・スビメンディとマッチアップするMF久保建英【写真:Getty Images】

電光石火の一撃を生んだ久保のプレー「ゴールまでのプロセスは純粋な美しさ」

 だが、主役は久保建英だ。高速かつ予測不能。日本で違いを生み出すのは、この男以外にいない。狭いスペースでのターンと、コントロール、そしてチェンジ・オブ・ペースで、何度もスペイン守備陣を翻弄した。ボールを持たせたら抜群だ。

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 堂安の電光石火の一撃は久保が生み出したものだ。まるで剣豪だ。ハンドもあったかもしれないが、マルティン・スビメンディが密着しているにもかかわらず、太ももでボールをコントロールし、相手をいなし、加速した。この突破がスペースを生み出した。堂安の一撃は見事だったが、久保の重要性は極めて高い。ゴールまでのプロセスは純粋な美しさだった。

 久保と旗手、相馬による左サイドの崩しは効果的で脅威だった。前半はスリリングだった。献身的な守備と攻撃時のオーラが見事に噛み合った。残念ながら、多くのメンバー変更があった後半は違う試合になってしまった。大迫敬介は重要なセーブで価値を証明し、三好康児も創造力の片鱗を示した。

 1-1のドローに終わったが、木曜日(22日)の南アフリカ戦に向け、日本に凄まじい自信をもたらすことになった。才能に満ち溢れたメンバーたちが、同じ熱意と献身性をフィールド上で示すことができれば、生み出されるパフォーマンスは間違いなくポジティブなものになる。

 五輪での戦いで初戦の勝利こそが、森保の願い。スペインとのドローで、日本の初戦勝利は本命となった。そして、この試合が日本サッカー界の煌びやかな夏の始まりなのかもしれない。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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