U-24日本代表が有する”期待と不安” 金メダル最有力のスペイン戦で分かった現在地

攻守に奮闘したU-24日本代表DF酒井宏樹(左)【写真:Getty Images】
攻守に奮闘したU-24日本代表DF酒井宏樹(左)【写真:Getty Images】

金メダル候補のU-24スペイン代表と1-1のドロー、弾みをつけて本大会へ

 U-24日本代表は17日、東京五輪前最後の強化試合で金メダル最有力候補のU-24スペイン代表と対戦し、1-1で引き分けた。自国のリーグで活躍するタレントを並べた相手に対し、強度の高い守備で対抗。数少ないチャンスを確実に活かし、リードを奪って見せた戦いぶりには、本大会への期待が膨らむ一方で、選手層や中2日で試合が実施される日程面を踏まえると、小さくない不安も見え隠れする。

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 本大会で金メダル獲得を目標に掲げる日本は、欧州選手権(EURO)の主力メンバーも名を連ねた”金メダル候補”のスペインとの強化試合に臨んだ。序盤から相手にボールを支配されたなか、中盤からのプレスを巧みにかわされ前半14分にはゴール正面からFWラファ・ミルに決定的なシュートを打たれる。

 その後も立て続けに攻め込まれた日本。徐々に嫌なムードが漂い始めたが、ゴール前で強度の高い守備を発揮する。とりわけ大きかったのが、DF吉田麻也、DF冨安健洋、DF酒井宏樹の存在だ。前半の苦しい時間帯での失点を回避できたのは、欧州のクラブで実績を積んできた3人の経験と実力によるところもあったはずだろう。

 吉田が「手応えはありつつも、こんなものじゃないだろうと客観的に見ている自分もいる」と言うように、来日間もないスペインの選手たちのコンディションを考慮する必要もある。ただそれでも、手強さを示した相手に強度の高い守備で対抗し、劣勢を跳ね返したチームとしての戦いぶりには自信を持っていい。

 一方で、吉田、酒井、冨安が退いた後半になると守備の強度は一転して低下した。最終ラインの主軸を欠くなかで、ある程度想定できたパフォーマンスでもあったが、それでも金メダルを狙うのであればそうも言っていられない。金メダル獲得という目標の達成に向け、吉田はこう指摘する。

「もうちょっと成長しないと、相手のサッカーにリアクションだけだといつかやられる。それがイタリア代表のようなチームなら守り切れるかもしれないが苦しいと思うので、もうちょっと前から奪う、先手を取れるような守備をしないと苦しい」

 本大会では中2日での連戦が続く。夏場に試合が立て続けに行われるとあって、すべての選手にフル稼働を望むのは酷だろう。本大会まで時間がないなかでさらに突き詰めるべきは、誰が出ても遜色ないパフォーマンスをできる限り発揮することだ。

「この結果に一喜一憂せず、後半を含めどこまでできたか、改善点が理解できたので、そこをこれから詰めていかないといけない」と吉田。いずれにせよ、本大会初戦の南アフリカ戦(22日)を目前に控え、現時点での力量がはっきり分かったことは大きな収穫となった。

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