PKキッカー5番手に日本代表GK起用の奇策が裏目に… 浦和がACL16強の日韓対決で壮絶に散る

西川が決めれば8強進出も止められる

 浦和は延長前半4分、先手を許してしまった。左サイドを抜け出した相手FWパク・チュヨンの折り返しに、FWアドリアーノが合わせて勝ち越しゴールを奪われた。クロスに対してDF槙野とDF森脇が必死のスライディングを見せたが、わずかに及ばなかった。

 ビハインドを背負った浦和だが、ここまで沈黙を保っていたストライカーが同点ゴールをもたらした。延長後半7分、DF槙野のサイドチェンジをMF駒井が頭で折り返すと、その先に走り込んできたのはFW李忠成。頭で押し込み、浦和が試合を振り出しに戻した。

 すると、その3分後の同10分、左サイドからMF梅崎が上げたクロスに飛び込んだのは再び李だった。滑り込みながら左足で押し込み、2試合トータルでの逆転ゴールを決めた。FCソウルは第1戦と同様に196センチの長身DFシム・ウヨンを投入してパワープレーに出たが、浦和もズラタンのポジションを下げて対応した。

 しかし、試合終了間際に右サイドからカットインしたMFコ・ヨハンが左足のミドルシュートを放つ。無回転で飛んだボールに西川も反応したが弾いたボールはゴールの中へ。土壇場でまさかの失点で2戦トータルで3-3に追いつかれてPK戦に突入した。

 先攻の浦和が4人目まで決めたのに対し、FCソウルは3人目が失敗。決めれば勝利の5人目のキッカーをGK西川が務めた。この奇策とも呼べるGK起用は裏目に出て、相手GKに止められた。サドンデスにもつれ込むと、浦和は8人目のMF駒井が失敗。最後はDFキム・ドンウに決められ、PK戦6-7で敗戦となった。

 Jリーグ勢唯一の生き残りとして2007年以来のACL制覇に期待の集まった浦和だが、激戦の末に壮絶に散った。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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