「大きな自信になった」 なでしこ主将熊谷、強豪オーストラリアに無失点で手ごたえ
プレスとブロックを作って構えて守る守備の使い分けに自信
なでしこジャパン(日本女子代表)の主将DF熊谷紗希は、14日に行われた国際親善試合オーストラリア戦に1-0で勝利し、「今日の相手にもやられなかったのは大きな自信になった」と、守備面での手応えを話した。
日本は4月、6月に行われた国際親善試合では、力の差がある相手に大差での勝利が続いた。オーストラリアは五輪にも出場し、FIFAランキングでも日本より1つ上の9位という久々に拮抗した力関係の試合になった。
その中で日本は後半9分、MF長谷川唯のクロスが相手のハンドを誘い、そこで得たPKをFW岩渕真奈が決めて決勝ゴールとした。高温多湿の環境もあり後半は両チームともゴール前に早い展開となりやすく、3バックの相手に対してクロスを入れられる場面もあったが、決定機と言えるほどの大ピンチを迎えることはなく守り切った。熊谷は、プレス一辺倒ではない守り方について代表合宿での積み上げも強調して手応えを話している。
「時にはブロックを作って構えて守備をすることも、この事前キャンプでものにできた自信がある。今日の相手にもやられなかったのは大きな自信になった。(クロスに対して)最終ラインはすごく良い意識で戻る場所を明確にできている。マイナスのボールに対しての対応、何度かシュートされた場面もあったけど、もう1歩最終ラインが出られるか、中盤が戻れるかはやっていきたい。GKが裏のカバーをしてくれたので、そこはやられていないと思う」
2011年になでしこジャパンがドイツ女子ワールドカップ(W杯)で優勝した10年前、熊谷はすでに20歳でセンターバックのレギュラーだった。その大会後の夏に浦和レッズレディースからドイツのフランクフルトへ移籍して2シーズンプレーすると、クラブチーム世界最強との呼び声も高いフランスのリヨンへ移籍。8シーズン中、5回もUEFA女子チャンピオンズリーグ(CL)を制し、2019-20シーズンは決勝戦でのゴールも決めた。
熊谷は歴代の日本女子選手の中でも、最も欧州で長くプレーして実績を積んだと言える。それだけに「10年前とは年齢を含め、チーム内での立場や経験がかなり違う。いろいろなことを経験させてもらい、世界と戦っている経験をチームに伝えたい。苦しい時に自分の声やプレーでチームを引っ張る存在にならないといけない。この大会、簡単なことばかりではないと思うけど、全員が伸び伸びできるように、(年齢が)上の選手が引っ張っていきたい」と、頼れる主将としての言葉を残した。
ドイツ女子W杯の優勝を知るメンバーはFW岩渕真奈と2人になった。自国開催で史上初の金メダルを目指すなでしこジャパンの中で、熊谷は最終ラインで間違いなくチームの軸となる姿を見せてくれるはずだ。
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(FOOTBALL ZONE編集部)