ラッシュフォード、人種差別と断固戦う姿勢を表明 PK失敗の「批判は受け入れるが」
EURO決勝で3人目のPKキッカーとして失敗、試合後にSNSで人種差別的行為の被害に遭う
欧州選手権(EURO)の決勝でPKを失敗したイングランド代表FWマーカス・ラッシュフォードには、試合後にSNS上で人種差別的発言が向けられた。同選手は自身のパフォーマンスについて謝罪したが、人種差別的行為に対しては断固として立ち向かう姿勢を声明で明らかにした。
ラッシュフォードは決勝のイタリア戦で、MFジェイドン・サンチョとともに延長後半終了間際から交代出場した。ラッシュフォードは3人目のキッカーとしてPK戦に登場したが、シュートは左ポストを叩いて枠の外へと外れた。
続く4人目のサンチョと5人目のMFブカヨ・サカのキックは、立て続けにGKジャンルイジ・ドンナルンマにセーブされ、イングランドはPKスコア2-3で敗北。1966年ワールドカップ以来、55年ぶりのメジャータイトル獲得の夢は叶わなかった。この試合後、SNS上でPKを失敗した3選手に対する人種差別的なコメントが確認されており、イングランドサッカー協会は「可能な限り厳しい処罰を求めていく」と声明を発表していた。
一夜明け、当事者のラッシュフォードもツイッターで声明を発表。「何から始めればいいのか、今の気持ちをどのように言葉にすればいいのか分からない」と切り出し、自身のPK失敗や決勝で敗れたことへの無念の思いを吐き出している。
そのなかでラッシュフォードは「決勝。55年間。1つのPK。歴史。僕が言えるのは申し訳ないということだ。全く違った結果になっていたらと願うよ」と綴り、自身のパフォーマンスについては謝罪している。しかし、一方では人種差別的行為は断固として容認しない姿勢も明らかにしている。
「パフォーマンスに対する批判なら受け入れることができる。僕のペナルティーキックは良くなかった。でも、僕が何者なのか、どこから来たのかということについて謝ることは決してない。胸にスリーライオンズのバッジをつけ、何万人もの観衆がいるなかで家族が応援してくれるのを見ることは、これ以上ない誇りに感じる」
そして、ラッシュフォードは「僕はマーカス・ラッシュフォード。23歳の黒人男性で、南マンチェスターのウィジントンとウィゼンショーの出身。他に何もなくても、これが僕だ」と自身のアイデンティティーを主張。「優しいメッセージありがとうございます。僕はもっと強くなって戻ってくる。僕たちはもっと強くなって戻ってくる」と決意を新たにした。
(FOOTBALL ZONE編集部)