英代表FWの壁画が落書き被害…人種差別事件として捜査 「卑劣で恥ずべき行為」
EURO決勝でPK失敗のラッシュフォード、肖像画が描かれた壁画に破壊行為発覚
欧州選手権(EURO)決勝のイタリア対イングランド戦で、PKを外したイングランドの3選手が人種差別の標的になった問題で、被害者の1人であるFWマーカス・ラッシュフォードの壁画に落書きによる破壊行為が行われていたことが分かった。英メディアによると、侮辱的な言葉が記されていたとされ、地元警察は人種差別的な事件として扱うという。
EUROで史上初となる決勝に進出したイングランドは、ファイナルでイタリアと対戦。試合は1-1のまま延長120分間を終えても決着はつかずPK戦にもつれ込む死闘となった。イングランドはGKジョーダン・ピックフォードが2本のPKセーブを見せる活躍を見せた一方で、FWマーカス・ラッシュフォード、MFジェイドン・サンチョ、MFブカヨ・サカが3人連続で失敗し、タイトル獲得を逃した。
すると試合後、インスタグラムなどのSNS上でPKを失敗した3人、ラッシュフォード、サンチョ、サカに対する人種差別発言が確認され、イングランドサッカー協会(FA)は「愕然としている」「可能な限り厳しい処罰を求めていく」との声明を発表。イギリスのボリス・ジョンソン首相も人種差別主義者を非難したが、卑劣な行為はさらに続いた。
英公共放送「BBC」によると、マンチェスターのウィジントンに製作されたラッシュフォードの肖像画が描かれた壁画に、何者かによる落書きが見つかったという。壁面には侮辱的な言葉が記されていたとされ、地元警察は人種差別的な事件として捜査。グレーター・マンチェスター警察のアンディ・バーナム市長は、この壁画の改ざんを「卑劣で恥ずべき行為」だと表現している。
落書きが施された箇所は現在、黒色のシートが被せられ、その上にはファンたちによる応援メッセージが貼られているという。サッカー界では人種差別・誹謗中傷被害の撲滅を目指しているが、心ないファンによる卑劣な行為はまたしても繰り返されてしまった。