EURO制覇のマンチーニ監督、“PK敗退”イングランドの心情に配慮 「気の毒な気持ち」
イタリアを頂点に導いたマンチーニ監督、快挙達成の選手を絶賛「素晴らしいグループだ」
欧州選手権(EURO)は現地時間11日に決勝が行われ、イタリアがPK戦の末にイングランドを下して53年ぶり2回目の優勝を果たした。イタリアを欧州王者に導いたロベルト・マンチーニ監督は、試合直後の衛星放送「スカイ・スポーツ」のインタビューに「PK戦は運も必要。イングランドに気の毒な気持ちがある」と気遣った。
イタリアは通常通りの4-3-3を採用したが、3バックで臨んだイングランドにサイドを広く使われて前半2分に失点。その後も苦しい時間が続いたが、変則3バックに変更した後半にはセットプレーから同点ゴール。決勝ゴールを奪えそうなチャンスもあったが延長戦にもつれ込み、最終的にはPK戦での勝利となった。
2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)の欧州予選で敗退して本大会出場を逃す大失態を演じたイタリアは、マンチーニ監督にスイッチして世代交代を進めながらチームを立て直した。まさにイタリアサッカーの救世主となり、欧州王者にまでチームを導いた指揮官は決勝の死闘を振り返っている。
「考えるのも難しいほどのことだったが、選手たちは最高だった。彼らに対する言葉は見つからないが、素晴らしいグループだ。ここまで簡単な試合はなかったが、今日も難しいものになった。だが、徐々に支配することができた。PK戦にはちょっとばかりの運が必要なものだ。イングランドに気の毒な気持ちがある。チームは成長してきたし、まだ良くなるだろう。すべてのイタリア人にとって喜びであり、彼ら(選手たち)に対しては言葉もないよ」
イタリアは大会中にDFレオナルド・スピナッツォーラがアキレス腱断裂の負傷で離脱となったが、準決勝後も決勝後も、試合後には彼に捧げる歌を大合唱した。そして、この決勝後の記念撮影では中央にスピナッツォーラを配置している姿もあった。指揮官が話したような「グループ」の象徴と言える光景だった。
イタリアはこれで国際Aマッチ34戦無敗を継続。リベンジでの出場を期す来年のカタールW杯でも、優勝候補の一角として認識されるのは間違いなさそうだ。